FullDepth(東京都中央区、吉賀智司社長)は、産業用水中ドローン「DiveUnit(ダイブユニット)」シリーズの新製品「300Lite」「KAI」「HAYATE」を開発した。いずれも年内の発売を予定する。
300Liteは、従来機の「DiveUnit300」をベースに、拡張性とメンテナンス性を強化した。テザーケーブルユニットとコントロールユニットの小型化により作業性を向上させたほか、フレームを水中に投入しやすい形状に変更した。基本価格は900万円台で、従来機の「300」を「300Lite」に仕様変更することも可能だ。
KAIは、機体の大型化とスラスターの増強により、さまざまな機器を搭載できるようパワーアップした。高い安定性と最大2.0ノットの速度で沖合でも使用できる機体となっており、洋上風力発電所などの現場でのニーズを見込むほか、高圧洗浄機をつなげば岸壁清掃などにも利用できる。標準価格は1600万円台から。
「HAYATE」は、軽量かつ小型の機体に先進的な水中計測技術を搭載した製品だ。重量は従来機の約半分の15㎞で1人でも持ち運べる。最大3.0ノットの高速度と機体制御技術で潮流がある現場でも使用しやすい。販売価格は400万円台後半から。
従来機の「300」は2019年のリリース以来、ダムや港湾といった水中インフラの点検などで活用されている。同社は水中作業のさらなる効率化・可視化を推進するため、機材の自動化や画像、音響撮像のマップ化技術などの開発にも取り組んでいる。
新型機の発表会で吉賀社長は「水中ドローンというハードウエアを提供するだけでなく、全ての水中作業をデジタル化することで、地球の資源と安全への貢献を目指す」と語った。
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