大成建設は、2008年に開発し、機能拡張してきたコンクリートひび割れ画像解析技術「t・WAVE」について、7月から成和コンサルタントを窓口に一般利用者への提供を開始した。点検作業をクラウド上で利用可能となるようにシステム化した。
ひび割れ調査・評価の高度化などの実用化に向けて順次機能拡張を進めてきた。20年には、AI(人工知能)を使ってコンクリート構造物のデジタル画像から表面のひび割れを自動的に検出する機能を付加した。
日本初の技術で大成建設が特許を保有するウエーブレット変換による画像解析処理により、ひび割れの幅や長さなどを自動で定量的に算出できる解析技術を開発した。
機能拡張をしながらコンクリート構造物のひび割れ点検に活用しており、これまでの適用実績は、高架橋を含む橋梁やトンネルなど104カ所のコンクリート構造物に対して合計約19万㎡(23年12月末時点)のひび割れ点検を実施。技術開発成果と適用実績により、23年度土木学会技術開発賞を受賞した。
今回、コンクリート構造物の健全性を確保し、さらなる安全・安心を実現するために、同技術をクラウド上で運用できるように機能拡張し、インターネットを介して誰でも有償で利用できるサービスを開始した。
今後両社は、コンクリート構造物の点検作業の精度向上と効率化に関するさらなる技術開発を進め、多くの利用者への提供を通じて開発技術の普及展開を図る。