【間口4mの画廊】大阪から世界へ美を発信/ICHION | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【間口4mの画廊】大阪から世界へ美を発信/ICHION

画廊外観


 幅4mの小さな画廊から世界へ–。安藤忠雄建築研究所が設計を手がけた現代美術ギャラリー「ICHION CONTEMPORARY(イチオンコンテンポラリー)」が完成した。11日、関係者によるオープニングセレモニーが大阪市内の現地で開かれた。

 建物オーナーの上一音氏は「安藤忠雄先生には間口が4mしかない狭い敷地にもかかわらず『挑戦』と捉え、唯一無二のギャラリーをデザインしていただいた。イチオンコンテンポラリーは作品の奏でる『音』が人々の心と共鳴し、新たな文化の波をつくる場だ。ただ絵を飾って眺めるのでなく、多様性、関係性が生まれる場となることを願っている」とあいさつした。来賓として出席した安藤氏も「敷地の狭さに驚いたものの、一音さんと周囲の皆さんの熱意にほだされ、設計を引き受けた。小さな宝箱のようなこのギャラリーから、生きる力を得て、世界へと羽ばたいていく若い人たちが現れることを願っている」と期待を寄せた。

 規模はRC造地下1階地上5階建て延べ233㎡。同ギャラリーが掲げる「大阪から世界へ美を伝播(でんぱ)する」との思いを具現化すべく、65㎡という狭小な敷地を最大限活用し、美術作品と呼応する建築空間を実現した。事業主はアート流通サポート合同会社、施工はまこと建設が担当し、2024年11月に完成した。建設地は、大阪市北区野崎町9―7。

 同ギャラリーでは初弾の展覧会「GUTAIは生きていた」を開催している。戦後日本で誕生した芸術運動「具体美術」に焦点を当てた内容で、向井修二氏による新作インスタレーションなどを展示している。会期は3月29日まで。


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