日刊建設通信新聞社が実施した人材採用調査によると、調査対象とした建材、建機、オフィス家具、セメントのメーカー15社のうち、12社が2026年4月入社予定の新卒者数を前年より増やした。「採用予定枠を確保できた」と回答したのは8社だった一方、「最終的に予定枠を確保できなかった」は5社、「予定枠の確保に苦労した」は1社で、濃淡はあれど売り手市場を背景に採用に苦慮している状況が見受けられた。
予定枠を確保できなかった企業に理由を尋ねたところ、「採用競争の激化」を挙げ、前年実績に比べて大幅に新卒者数を増やした企業は「技術職の一部分野で採用枠を確保できなかった」としている。
こうした中、各社は多様な手法で人材獲得に乗り出している。工業高校生採用は14社、カムバック採用は12社、リファラル(紹介)採用は12社(予定も含む)が実施している。
人材不足を感じている分野、採用を強化したい分野は、「情報システム(AI〈人工知能〉、ロボット、システム開発など)」が多く挙がった。「DX(デジタルトランスフォーメーション)によって新商品開発を推進するため」(TOTO)、「IT、情報分野での技術開発に力を入れていくため」(コベルコ建機)などの回答があり、デジタル技術を活用した事業展開に向け、情報システム分野の人材に多数のメーカーが熱視線を注ぐ。
多くのメーカーは、ワーク・ライフ・バランス(WLB)とやりがいの両立を重視する新入社員が増えていると受け止めている。新入社員の傾向を問う設問に、「WLBを重視する方が増えていると感じる。家族との時間や趣味の時間を確保した中で、やりがいを感じる仕事をしたいという考えの社員が増えている」(UBE三菱セメント)、「WLBや勤務地を重視しつつも、仕事には一定のやりがいを求めていると感じる」(住友大阪セメント)、「やりがい重視、WLB」(オカムラ)などの回答があった。
「自分のスキルや能力を高めることに興味がある社員が増えている印象がある」(不二サッシ)など、向上心が高いとする見方もある。他方で、「入社後2、3年で他のキャリア機会を探す傾向がある」「早期離職や転職への抵抗感が低い」など、自己成長や1社にとらわれないキャリア形成の意識が強まっているとの指摘があった。

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