九州整備局営繕部から整備課建築設計審査係の尾形祥氏と保全指導・監督室保全指導係の佐藤裕次氏の2人、施工者から建築工事を担当する東急建設九州支店建築部の岡村郁弥氏に聞いた。
3人に共通するのは子どもの時から建築に興味を持ち、立場は違うものの、夢を形にしようとしている点だ。法務省から出向している尾形氏は「親が家を建てる時に建築士のプレゼンテーションを聞いておもしろいと思った」。入省4年目の佐藤氏は将来に残るものづくりに、入社1年目の岡村氏は建物自体に興味を持ったという。
現在、尾形氏は設計の立場から施工図のディテールをすり合わせる業務を担当している。建設地の唐津港東港地区は、九州整備局の「九州みなとオアシス」第1号に認定され、官民一体の唐津みなとまちづくり懇話会を中心に港を生かしたまちづくりを進めている。同庁舎の建設でも懇話会の意見・要望を随所に反映しており、「図面だけでは読み取れない地域の思いを施工者側にうまく伝える」よう心掛けている。初めて現場を経験する佐藤、岡村両氏は、疑問点を迅速に解決することや工事の流れを知り現場の基本を学ぶことに努めている。
働きやすい職場について佐藤氏は、「言いたいことを言い合える環境の構築」を挙げ、尾形氏も「発言の場を持つことが重要」と応えた。岡村氏は職人目線の段取りを意識している。建築を目指す学生に向けて九州整備局の2人は、「企画から設計、施工、監理まで経験でき総合的な力がつく。建築学科以外も挑戦できる」と言いきる。岡村氏は「メンタルが大事。職人に言われても自分の意志で判断しなければならない」とエールを送る。
最後に将来の夢を聞くと、尾形氏は「施策を実現する中で自分らしさを表現できるようになりたい」、佐藤氏は「いろいろな視点から意見を述べられる技術者になりたい」、岡村氏はもちろん「所長になる」と、それぞれ目を輝かせた。