【働きかた】アラカン活躍! ベテランが守る「保守品質」フジテックマイスター・山本俊二さん | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

公式ブログ

【働きかた】アラカン活躍! ベテランが守る「保守品質」フジテックマイスター・山本俊二さん

フジテックマイスター・山本俊二さん

 フジテックが、定年退職した熟練社員を継続する「フジテックマイスター」を設立したのが2001年。1975年に保守メンテナンスを担当するフィールドエンジニアとして入社し、還暦を迎えて16年7月に退職した山本俊二さんも、同社に移ったベテランの1人だ。
 「機械いじりが好きだった」という山本さんは、東京・新宿にそびえる超高層ビルの保守という“花形”を始め、大型の新設プロジェクトや英国現地法人での保守部門設立などに携わり、「常に興味深い仕事をすることができ、非常に運が良かった」と目を細めながらフジテック時代を振り返る。
 現在は、北海道から神奈川県までの東日本エリアを対象に、顧客にとっての第1の窓口となるコールセンターで働いている。ベテランならではの知識や経験を生かし、故障対応の手配や点検日の確認、機能の説明など、多岐にわたる業務をこなす。同時に遠隔監視も行い、異常の発生に目を光らせている。
 コールセンターには、1日200-250件の問い合わせが寄せられる。「故障対応は当たり前だが、そこに至る前の気になるデータをピックアップし、フジテックのフィールド部門に毎日伝える」のも重要な業務の1つ。定期点検以外にも、フィールドエンジニアが顧客と接点を持つためのきっかけを増やし、保守品質のさらなる向上を狙う。根底には「保守が経営の基盤」という信念がある。
 フジテック本体の保守部門のアドバイザーも務め、毎月の会議を通じて「プロとして持つべき意識」を後進に伝授している。「最近はしっかりしたマニュアルが整備され、統一的な品質を確保できるようになっているが、一方で自分で考える力が弱くなってきている」と指摘する。
 工具忘れやスイッチの切り替え忘れなど、メンテナンスをしたがゆえに不良が生じるような事態を防ぐためにも、「自分の一つひとつの行動が、どういうことにつながっていくのか。それを突き詰めていく想像力が求められている」と、顧客目線に立ったプロ意識の浸透に力を注ぐ。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら