本紙4月9日付『現場の逸品』で紹介したコクヨの測量野帳。読者から反響をいただき、実際にコクヨハクに訪れたという声も聞いた。建設業界のみならず、文房具ファンにもユーザーが広がりつつあることを紹介したが、その理由は何なのか。「文房具はやっぱり、道具であって使用するためのことを思えば、機能的であるという点は非常に魅力的だと思います」と答えてくれたのは、文房具イベント「コクヨハク」でコラボポスターを手がけた漫画家の藤原嗚呼子さんだ。
藤原さんは、文房具をテーマにした漫画『きまじめ姫と文房具王子』を連載中。小学館の担当編集者の瀬尾亞佑さんは測量野帳をテーマにしたポスターを描いた経緯について「漫画の中でコクヨ製品のキャンパスノートを取り上げた回がありました。そこからのつながりで、測量野帳(スイーツ野帳)のコラボ提案をいただきました」と説明してくれた。
藤原さんは「『いつも持ち歩く』=『消耗が早い』ということなので、丈夫な測量野帳はいつも持ち歩くにはとても適した手帳だと思います」と、漫画執筆の取材でも使っていることを教えてくれた。
さらに、文房具は新商品が多いため、廃番や頻繁に仕様変更になる商品も多いことから、「測量野帳は超定番商品ということもあって、使い切ってしまっても、また同じものをリピートしてずっと使っていけるんだという安心感があります。本棚に使い終わったものを並べたときに、背が並ぶと統一感がでてきれいだなとも思います」とも。
昔から観光などで素敵な建物や、大きな橋を見るのが大好きだという藤原さん。「建っている環境との違和感がなく、まるでずっと前からそこにあるような親和性が高いものに惹かれます。実際にその場に行って見て感じたいと思うような心がワクワクするような建造物がたくさんできたらいいなと思います」と建設業への期待も語っている。
建設現場の1品は時代を経て、現場を飛び出し、多くの人に愛される“逸品”となった。ワクワクするような建造物や作品づくりにこれからも役立っていくだろう。