【除雪トラックを自動制御へ】熟練オペレーターの技術データ収集 北陸地方整備局 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【除雪トラックを自動制御へ】熟練オペレーターの技術データ収集 北陸地方整備局

 北陸地方整備局北陸技術事務所は、車道1次除雪機械(除雪トラック)に付属する作業装置のマシンコントロール(MC)化を検討している。画像認識技術、AI(人工知能)の導入を視野に入れており、社会資本の整備、維持管理分野と同様に、除雪でも担い手不足が顕在化する中、同車種根幹部の自動制御が実現すれば、課題解消へ大きな弾みとなりそうだ。
 同事務所では除雪トラック作業装置のMC化に向け、実際に国道49号安田工区を除雪作業する熟練オペレーターの運転技術を収集(対象期間は17年12月6日から18年1月16日まで)してきた。具体的にはドライブレコーダーで屋外の作業状況と運転室内のレバー操作を録画するとともに、データロガーを使ってブレード、プラウ、サイドシャッターなどの作業装置の操作制御データを記録した。
 D-GPS(ディファレンシャル・全地球測位システム)やドライブレコーダー、データロガーから取得した除雪トラックの位置情報データと撮影画像、運転技術データを電子国土地図上に落とし込み、熟練オペレーターの運転技術を見える化した。
 その結果として、路面に積雪がある場合はほぼ確実に作業装置を操作する個所が把握できたことから、操作個所の位置情報データと作業装置の操作データを連携させながら、特定の個所で作業装置を操作できるように分析し、位置情報に合わせた作業装置の制御ユニットを今後開発する。
 ただ、技術開発には▽準天頂衛星システム「みちびき」を利用した受信機と、精度の高い地図データによる位置情報技術▽積雪量や作業装置の状態を把握するセンサー技術--が不可欠なため、両技術を先行して確立し、作業装置のMC化(制御ユニットの実用化)につなげていく。画像認識技術、AIについては市場動向を踏まえつつ、どのように活用するのが望ましいかを検討する。
 また、既に開発しているマシンガイダンス装置については除雪トラックのほか、凍結防止剤散布車やロータリー除雪車にも実装。地図表示機能、データ登録・編集機能の改良と、データ作成費用、日数の縮減を進めており、地道な“カイゼン”で積雪寒冷地の安心・安全を支えている。