【山梨県】2027年リニア中央新幹線開業契機にまちづくりビジョンを策定 ゲートウェー機能を追求 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【山梨県】2027年リニア中央新幹線開業契機にまちづくりビジョンを策定 ゲートウェー機能を追求

 山梨県は20日、東京都千代田区の都道府県会館で、2027年リニア中央新幹線開業を契機とした県内まちづくりを検討する「リニアやまなしビジョン(仮称)検討会議」の第3回会合を開いた。この会合の意見を盛り込んだ上で、20年3月末までに、まちづくり策とゲートウェー(駅周辺)機能を2本柱にしたビジョンを策定する。ゲートウェーについては、同年中に基本設計に入る計画だ。
 まちづくり策としては、実際の運用環境に近い状態で実証実験ができるプラットフォーム「テストベッド」の聖地化を目指す。長崎幸太郎知事は「いろいろな先生(委員会参加者)の工夫がテストベッドという1つの方向に収れんしてきている。議論を踏まえ、精緻化するところは精緻化する」と強調した。
 テストベッドで想定する分野は多岐にわたる。モビリティ分野としては、自動運転バスの導入、ロボット分野ではGPS(全地球測位システム)付きドローンやUGV(自動配送車)を活用した無人配送の実現、クリーンエネルギー分野は太陽光や水素・燃料電池を活用した持続可能なまちづくりなどを計画する。まち一帯が「テストベッドの聖地」となることで、国内外の優秀な研究者などを呼び込みたい考えだ。
 最終的には、関連産業の集積や研究開発機能の拠点形成を目指し、未来社会を実装する先進県としての認知度を高めていきたいという。
 一方、ゲートウェーに関して県が想定するものとしては、公共交通ロータリーやライドシェアなど交通結節機能、オープンスペース機能、民間による飲食や物販施設などをあげる。
 日本総合研究所の東博暢主席研究員は「ゲートウェーはある程度面白くてユニークなものでなければいけない。27年には、XR(VR・AR・MR)の世界が当たり前になってくる。(XRは)みちびき(準天頂衛星システム)を使うと、エンターテインメント要素で面白いことができる。27年にはできているだろうテクノロジーをどう使っていくかが重要で、山梨に来たからこそできるというものを整備することは、良いコンセプトになると思う」と語るなど、委員らは活発な議論を交わした。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら