【若者に選ばれる住居形態探る】神奈川県住宅供給公社の二宮団地再生 温浴施設を核に整備へ | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【若者に選ばれる住居形態探る】神奈川県住宅供給公社の二宮団地再生 温浴施設を核に整備へ

 神奈川県住宅供給公社は、二宮町の二宮団地再生の一環で、温泉・湯治を核とした交流拠点整備に乗り出す。事業手法はBOO(建設・運営・所有)方式の採用を検討している。2021年度にも実施の判断・公表、事業者選定に入りたい考えだ。22年度に設計、23年度に既存解体と建設工事に着手、24年度の営業開始を想定する。温浴施設をコミュニティーハブの中心に、若者が住みたくなる住居形態を探るなど、新しい団地のあり方を構築する。

二宮団地


 二宮町は、湘南で唯一温泉・湯治場の歴史があり、同団地に眠る温泉資源を生かし、中規模温浴施設を整備する。

 規模は鉄骨造平屋建て1500㎡程度を想定。サウナを中心とした温泉・湯治施設に加え、フィットネススタジオやシェアキッチン、飲食・物販施設、コワーキングスペース、分散型宿泊施設のレセプションなどを設け、ミレニアル世代に選ばれるウェルネス・カルチャー・コミュニティーをテーマとしたインキュベート施設としたい考えだ。建設費は3億3200万円と試算している。

 同団地では、16年度から再編プロジェクトを実施している。里山風の地域木材を活用したリノベーションやDIYによるセルフリノベーションが可能な制度創設、農業暮らしの推進など、多様なライフスタイルが実現できる暮らしを提案したことで、空き家率が40%から19%にまで下がったほか、20-30代の子育て予備軍となる入居者が全体の2割強を占めるようになった。

 ただ近隣商店街の空き店舗化進行や戸建住宅の空き家増加、廃止住棟・跡地の発生など依然として課題は残る。そこで、今回の事業により団地を核とした地域創生のモデルを目指す。温浴施設以外にも、廃止住棟・跡地を活用し、若い世代に選ばれる住居形態の構築、もともと住む高齢者向けの住宅型有料老人ホームの設置なども模索する。

 二宮団地は同公社が1962年度から造成、分譲・賃貸を開始した開発面積約72haのニュータウン。戸数は約2300戸で、このうち公社賃貸住宅は856戸となっている。

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