【利用者に寄り添う】八重ランゲージスクールの技能試験対策テキストが大好評を博す理由 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【利用者に寄り添う】八重ランゲージスクールの技能試験対策テキストが大好評を博す理由

 「海外から来た技能実習生には建設現場で安全に実習し、無事に母国に戻ってほしい」–。外国人向け日本語研修を手掛ける八重ランゲージスクール(仙台市、佐藤美樹代表)が、ベトナム人技能実習生向けに発行した技能試験対策テキストが好評を博している。試験問題で使われる日本語を“やさしい日本語”に言い換えて理解を促すなど、利用者に寄り添ったわかりやすさが特長。技能試験の合格だけでなく、工事現場に従事する実習生が事故に巻き込まれるリスクの低減にも役立ちそうだ。

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 日本の少子高齢化などを背景に年々増加傾向にある外国人技能実習生。建設業の受け入れは食品製造や機械・金属などと並んで多く、特にベトナム人実習生の割合が高い。

 実習生は母国で基礎的な日本語を学んで来日するものの、日本人が日常で使う言葉とは異なることも多くうまくコミュニケーションが取れなかったために事故に巻き込まれるケースもあるという。

 さらに技能実習1号から2号に移行するには、日本語で出題される技能試験に合格する必要があり、日本語の習熟は避けて通れない課題だ。

 同スクールは日本語を学ぶベトナム人技能実習生が多数、建設業に従事していることに着目。日本建設機械施工協会の『外国人技能実習生のための建設機械施工問題文』を使い、98問すべてを“やさしい日本語”に対訳した。

 例えば「歩行者」は「歩いている人」、「水冷式」は「水で冷やす方法」など。漢字はすべて平仮名で表記し、ベトナム語訳も付けているほか、イラスト添付の単語もある。

 佐藤代表は「学科試験の回答はマルバツ式で60点取れば合格できるが、日本語をきちんと理解している実習生は安全に対する意識も高い。命を守るためにも日本語能力は大切だ」と話す。

 2019年11月から後藤工業(仙台市)でローラーの運転技術などを学んでいるゲアン省出身のチャン・グエン・ゴックさんは「日本語は文法や漢字が難しく、言葉の意味を誤解していることもある。“やさしい日本語”は意味が理解しやすく、試験にも合格できてうれしい」と語る。

日本語の授業を受けるベトナム人実習生


 テキストはA4判32ページ。定価1000円(税別)。日本語教師派遣による企業での日本語研修やオンライン・オンデマンド授業なども別途料金で対応する。詳細は、ホームページ(https://coiki.co)または同スクール・電話022-386-9330。



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