【阪神高速がDX戦略本部を新設】BIM/CIMなどでシームレスなインフラマネジメント目指す | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【阪神高速がDX戦略本部を新設】BIM/CIMなどでシームレスなインフラマネジメント目指す

 阪神高速道路会社(吉田光市社長)は、7月から「DX(デジタルトランスフォーメーション)戦略本部」を新設し、業務の効率化や生産性向上、高度化の実現を目指す。

吉田光市社長


 工事情報共有システム「Hi―TeLus(ハイテラス)」や脱はんこなどに取り組む方針だ。6月29日に大阪市の本社で開いた会見で吉田社長は「DXによって究極的な目標である新たな価値を創造し、提供したい」と意気込みを示した。
 
 DX戦略本部は、2020年7月に立ち上げたデジタル技術戦略室が策定した戦略を基に新設した。吉田社長が本部長を務め、約10人の体制で取り組む予定だ。BIM/CIMやi―Constructionなどを活用したシームレスなインフラマネジメントや安全・安心・快適なモビリティサービスなどを目標としている。現時点では、ハイテラスや脱はんこに取り組んでいる。

 ハイテラスは、設計や工事関係の書類をクラウド上で管理するシステム。原則すべての書類を電子化することで、年間175万枚の書類を削減できる見込み。書類提出や手続きに必要な移動時間がなくなるため、生産性も18%向上できると試算している。

 脱はんこの取り組みは、4月から進めており、グループ内文書の押印を廃止し、年間約1600件の押印が不要となる。これにより、取り組み前には340種類の書類に必要だった押印を94%減らすことが可能となる。
 会見ではこのほか、ネットワークの整備状況やリニューアルプロジェクト、「阪高快適走行プロジェクト」などについて説明した。

 リニューアルプロジェクトでは、1号環状線北行きで11月に約10日間実施する予定だ。高性能床版防水や舗装の全面打ち換え、伸縮継手や道路標識の取り替えなどを集中的に行う。14号松原線喜連瓜破付近では、施工方法などを検討している。



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