日立建機とABB(スイス)は、エンジンを搭載しないエンジンレス・フル電動リジッドダンプトラックの共同開発契約を結んだ。稼働に必要な電力を架線から取り込みつつ、バッテリーにも充電するトロリー充電式を採用する。鉱山現場での適用を想定している。
フル電動ダンプトラックは、電力を架線から取り込むことでバッテリーの搭載量を抑えて車体の初期費用を抑制する。車体のバッテリー重量が軽くなり、積載量も増やせる。
同時にバッテリーにも充電することで、充放電を繰り返し、バッテリーの負荷が低減できる。充電のための停車も不要になる。
例えば、積載現場から搬送先までの登坂道路はトロリー給電で走行してバッテリーを充電し、下り坂道路もブレーキの回生エネルギーでバッテリーを充電して平地はバッテリーモーターで走行するといった運用が可能になる。
両社は、鉱山機械からの温室効果ガス排出量実質ゼロに貢献するため、3月に協力関係を構築する覚書を結んでいた。今回の共同開発は、協業の初弾に位置付けている。