【3次元計測モデリングサービス『Info360®』が好調】U's Factory | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【3次元計測モデリングサービス『Info360®』が好調】U’s Factory

 U’s Factory(ユーズファクトリ、横浜市、上嶋泰史社長)が開発、提供する高精度3次元計測モデリングサービス『Info360®』が好調だ。点群測量や360度カメラを活用し、建築、土木、都市空間などのBIMモデルを高精度、高品質、短期間で作成するサービスとなる。リアルとバーチャルをつなぐ革新的プラットフォームとして活用し、関係者間の情報共有や現場の生産性向上に貢献する。

◆現状と違わぬモデル 短期間で作成

短期間で点群測量するのが強みだ

 同社は、超高精度の3次元自動モデリング機能を活用したArchicadのアドオンソフト『BI For ArchiCAD』と、点群計測と360度カメラを活用して建物や道路の3次元CADモデルの作成やXYZ座標付360度動画を提供するInfo360の2つの製品を柱に事業展開し、8月で10年目を迎える。
 このうち、Info360のベースとなる高精度3次元計測サービスを本格化して8年、建築、土木、都市空間を対象に実績を積み上げてきた。上嶋社長は「他社と比べ、圧倒的に計測時間が短いのが当社のサービスの特徴。高精度の3次元モデルも点群から素早く作成できる」と強みを挙げる。
 点群計測と3次元モデル作成に加え、積算・見積り、施工図作成、工程シミュレーションなどを行うBI For ArchiCADと連携した一気通貫のデータ運用を提案できるのもサービスの特徴だ。「自己資本の企業のため、各メーカーが提供する計測機器を比較し、精度や誤差に関する技術的な検証を行うことで、ベストパフォーマンスを追究している」という。
 3次元モデルの作成では、例えば点群にノイズが多いと精度が落ちるため計測段階の計画と点群合成手法を工夫している。また、BI For ArchiCADの自動モデリングシステムを応用した時間短縮を可能にする。例えば、配管設備の3次元モデルを作成する際、点群を取得できていないところは手作業でモデリングする必要があるのだが、配管が途切れたところを自動的につなぎ合わせるプログラムを搭載している。
 一方で、点群処理ソフトは高額であり、1社で多くのライセンスを保有するのは難しい。同社は、ArchiCADのチームワーク機能を使い、複数社で分担して点群からモデリングする体制を構築した。「顧客が求めているのは、現状と違わぬ正確なモデル。高精度なものを早く作成するとともに、仕事の平準化も図っている」と話す。

 そうしたノウハウが評価され、建築、土木、都市開発など多様な領域で、同社の3次元計測サービスが活用されている。
 例えば特定天井対策の改修工事では、既存施設の現状調査に点群計測を導入するケースが増えている。施設の現状を3次元モデルで再現し、構造計算した上で図面化までサポートする。「画期的な作業スピードを実現することで施主が現地で立ち会う時間も短縮する」など業務効率化が評価されている。
 ことし3月に完了した東京ドームのリニューアル事業では、施工者の竹中工務店の依頼を受け、既存スタジアムの3次元計測とBIMモデルの作成を担当した。国内最大級の大型スクリーンを設置するため、スタジアムの詳細な3次元モデルを作成し、大型スクリーンを設置するための技術的サポートを行った。また、施設のリニューアルに合わせ、既存構造物との干渉チェックや、足場計画の作成、梁スリーブの位置出しなどにBI For ArchiCADを活用して点群データを有効活用し、施工をサポートした。

東京ドームのリニューアルで作成した点群モデル。BIMとの連携、 干渉チェックなどさまざまな用途に利用した


 土木や都市空間の分野では、首都高速道路のモデリングや、総務省の「仮想空間における電波模擬システム技術の高度化に向けた研究開発」の一環となる横浜市みなとみらい地区の3次元モデルを手掛けている。

◆点群を現場で有効活用
 作成したモデルに対し、施主などの関係者が閲覧するニーズが高いため、Info360(Point Cloud Viewer)を自社開発し、重い点群データもウェブブラウザで閲覧できるようにした。セキュリティー対策として、期間を決めて公開する機能も搭載している。アノテーション機能で点群データにフラグを立て、写真や360度画像を閲覧できるほか、画面上で寸法も計測できる。タブレット端末を利用し、現地から撮影した写真をモデルに加える機能も9月にリリースする予定だ。
 創立以来、さまざまな機能を開発しながら顧客を拡大してきた。大手ゼネコン時代の現場監督としての10年のキャリアを背景に、「現場で役立つ機能を追加することがクリエイターとしての楽しみ。エンドユーザーの視点で機能をブラッシュアップしていきたい」と先を見据える。

みなとみらい地区の3次元モデル



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