石川県輪島市を中心に発生した複数の河道閉塞は、いずれも決壊リスクが低減し、安定状態に入っている。河川管理者である石川県と、県から支援要請を受けた北陸地方整備局、日本建設業連合会が連携して進めてきた対策工事が奏功している。ただ、余震や降雨といった不安要素も少なくなく、閉塞解消まで予断を許さない状況が続く。
国土交通省の発表によると、23日午後2時時点で、石川県管理河川の河原田川と紅葉川、寺地川、鈴屋川、金蔵川、山田川の6河川14カ所で河道閉塞を確認している。
このうち、閉塞規模の大きい河原田川の1カ所(輪島市熊野町)と紅葉川の1カ所(同市市ノ瀬町)については、県側がその緊急性を鑑みて北陸整備局に協力を打診。日建連とともに対策工事を進めており、鹿島が施工を担当する。23日には直轄権限代行に移行している。
山田川の1カ所(能登町宮地)、鈴屋川の4カ所(同市町野町牛尾、町野町寺山)は、それぞれ佐藤工業、清水建設で対策工事が進む。現段階では直轄権限代行になっていない。
各現場は依然として閉塞状態にあるが、既に越流しており、決壊による土石流の危険性は低い。紅葉川と鈴屋川は監視カメラによる監視体制を維持している。
このほか、鈴屋川の別の4カ所(同市町屋町鈴屋、町屋町寺山)や寺地川の2カ所(同市町野町寺地、町野町広江)、金蔵川の1カ所(同市町野町川西)も安定状態にあり、監視カメラで動態を注視していく。また、寺地川などは近く対策工事に着手するとみられる。
◆常温合材150個/道建協が提供
日本道路建設業協会北陸支部は、北陸整備局との災害協定に基づいて、舗装補修に使用する常温合材150個を輪島市などに提供した。不足傾向にある砕石についても富山県と新潟県上越地域で調達(約2000m3)し、被災地支援に充てている。
5日には新潟県の要請を受けて、糸魚川地域振興局管内の県道の緊急復旧を実施した。
【2024年1月25日付紙面掲載】