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能登半島地震リポート

平時からの準備が奏功/官民連携で迅速な初動/「啓開作業に遅延なし」

最終更新 | 2024/03/12 11:55

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 「令和6年能登半島地震」に伴う初動対応の在り方で、「道路啓開計画」の有無が俎上(そじょう)に載っている。道路啓開の実効性は計画策定だけで担保されるわけではなく、行政機関と建設業界が有事に備え、緊密な連携体制を構築できているかによるところが大きい。被災地域の計画未策定ばかりに矛先が向く中、災害協定に基づいて高めてきた官民一体の組織力、現場力が実際の啓開作業で確実に機能している。 道路啓開計画は道路管理者間の協議を経て、大規模災害発生時の啓開ルート(路線)の優先順位などを定める。首都直下地震や南海トラフ地震などが想定される地域では策定されている。
 石川県を含む北陸地域の計画策定については、国土交通省北陸地方整備局がかじ取り役を担っており、関係機関と協議会設立に向け調整している段階で、能登半島地震に見舞われた。
 北陸整備局の担当者が「計画は未策定であり、評価は差し控えたい」と話すように、計画未策定と道路啓開の進捗(しんちょく)度合いの関連性を解き明かすことはできない。ただ、これまでの対応を振り返ることで、啓開作業プロセスの妥当性が見えてくる。
 半島内の大半の幹線道路を管理する石川県は、深刻な道路被害を鑑み、1月1日午後4時の地震発生からまもなくして同局に支援を求めた。
 この要請を受け、局側は「軸となる道路を通して、その後にくしの歯状に広げていく」(局担当者)とする道路啓開の教訓を念頭に置き、輪島市や珠洲市、能登町につながる国道249号の七尾湾側や県道1号、303号、珠洲道路を優先啓開路線に選定。日本建設業連合会とは従前から災害協定を締結し、作業体制を整えていたことから、実動班は即座に現地へと向かった。
 至る所で土砂崩落や路面崩落などが起こっており、移動だけで半日近くを要したほか、現場状況を確認した上で安全対策と工程を立てなければ、啓開作業には取り掛かれないにもかかわらず、「発災翌日の2日に普通車、4日には大型車も通行できるようになった」という。4日から国道249号の輪島市沿岸部の道路啓開にも着手している。
 こうした現実(物理的条件)の下で、県の支援要請を起点とする初動対応に取り立てるほどの遅れや問題点が見当たらず、これを上回る迅速な行動は不可能に近かったと言える。
 また、「発災当初は(被災箇所の)情報が少ないため、経験知に基づく臨機応変な対応が非常に重要になる。幅員など最低限の施工事項を設定した上で、基本的には現場の判断で作業を進めるように指示した」と加える。
 作業速度の観点で比較対象に挙がる東日本大震災は、津波によるがれき撤去こそ難航したが、道路への被害は小さかったとされる。今回の地震は、修復が簡単ではない広範囲の路面損傷(陥没、クラック、段差)や大規模な道路崩壊、二次災害の危険性がつきまとう土砂崩落などが重なる。「道路被害が甚大で、緊急復旧が不可欠」なため、道路啓開の領域を超えていると見ることもできる。
 道路の被災状況一つをとっても、それぞれの特徴は異なる。つまり、啓開作業のアプローチが大きく違う以上、比較自体があまり意味をなさないことになる。
 土木学会の能登半島地震特別調査団は、「わが国で考え得る災害のほぼ全てが同時的に発生した」とし、未曽有の震災であるとの見解を示す。さらに、周囲が海に囲まれた急峻(きゅうしゅん)な地形が資機材調達などに影響し、作業そのものを難しくさせるが、幹線道路の啓開は約9割に達している。災害協定の枠組みと過去の教訓を生かして平時から準備(訓練)し、官民の連携体制を強化してきた証左にほかならない。
 石川県建設業協会をはじめとする地域建設業も県道や市町道の道路啓開に尽力している。啓開作業の実態をよく知るある県の建協会員は「(道路啓開計画の未策定によって)『啓開の遅延が発生している』という指摘は当てはまらない」と主張する。自ら作業に従事する地元企業の若手経営者は「(地域住民は)責任者探しや道路啓開計画の立案ではなく、今後の復興に向けたビジョンと予算配分を求めている」と強調する。
 局担当者は「道路啓開計画の必要性は認識している」とした上で、一部の首長から道路啓開の進捗を疑問視する声が上がっていたことを含め、「改善すべき部分は改善していきたい」と話す。
 一方で、官民の総力挙げて一日も早い道路啓開に取り組んでおり、結果として、この体制が道路啓開計画の実効性を支えているという事実も存在する。行政機関と建設業者は「『しっかりと道路啓開に当たっている』と胸を張っていい」(被災地の自治体職員)はずだ。
【2024年2月20日付紙面掲載】

経験知生かし、住民のために道路啓開を進める

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