【24年度に江戸川水閘門着手、CIM活用で施工合理化】関東整備局 | 建設通信新聞Digital

5月10日 金曜日

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【24年度に江戸川水閘門着手、CIM活用で施工合理化】関東整備局

 関東地方整備局は、調査・設計費などを含め完成までの費用に約540億円を見込む江戸川水閘門の改築について、2024年度の工事着手を目指している。旧江戸川左岸にある現水門の下流部で改築する計画だ。左岸に新閘門、右岸側に新水門(3門)を配置する。現水門と現閘門は撤去するとともに現閘門周辺は埋め戻す。その後の活用方法は今後検討する。当初、新設工事に5年、撤去工事に2年を見込んでいたが、変更する可能性がある。CIMを活用し、施工の合理化などを追求する。

江戸川水閘門の改築イメージ

 江戸川河川事務所は12日、「R5江戸川水閘門改築検討業務」の簡易公募型(拡大型)プロポーザルを公告する。参加表明書と技術提案書は5月10日まで受け付ける。6月15日に特定通知する予定だ。

 参加資格は、土木関係建設コンサルタント業務に登録し、水門か閘門(陸閘を除く)の設計実績があること。
 事業効果を早期に発揮するため、周辺整備の実施手法の検討とともに、水閘門細部の詳細設計を行う。概要は、▽計画準備▽現地踏査▽周辺整備方法検討▽水門・閘門詳細設計▽上屋建築物設計▽魚道・低水施設詳細設計▽工事用進入路検討設計▽耐震性能照査▽報告書の取りまとめ--など。委託期間は24年2月下旬まで。所在地は東京都江戸川区篠崎町地先、河原地先。
 「R4江戸川水閘門改築他検討業務」は建設技術研究所が担当した。

 右岸側に配置する新水門は、低水ゲート施設(魚道を含む)1門、洪水調節ゲート2門で構成する。管理橋を設置する計画があり、一般利用も検討する。
 江戸川水閘門は、江戸川放水路と旧江戸川の分岐点にあり、旧江戸川の水の流れを調整している。洪水を安全に流下させる機能や江戸川の塩分の遡上(そじょう)防止と旧江戸川の維持流量の確保機能、船舶を通航させる機能などを持つ。1936年に着工し、43年に完成した。

 竣工後約80年が経過し老朽化しているほか、ゲート操作に支障となる不具合も多発している。洪水時にゲート操作が不能となった場合、せき上げにより上流の水位が上昇し、堤防決壊による氾濫の危険性が高まる。22年3月に開いた「江戸川下流部の治水機能確保対策における計画段階評価検討委員会」で改築案を選定した。

 

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