【記者座談会】建設企業・団体が防災訓練/建コン協の意見交換会 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

公式ブログ

【記者座談会】建設企業・団体が防災訓練/建コン協の意見交換会

◇広域被害想定し代替拠点海外にも

A 9月1日は防災の日。9月第1週は防災週間に当たり、全国各地で防災訓練や啓発行事が展開された。建設業界も多くの企業・団体が首都直下地震の発生などを想定した防災訓練に取り組んだ。

B 最近は、全国拠点の連携強化とともに、出社とテレワークのハイブリッド型勤務を想定して社員の安否確認するケースが増えている。

C ある企業は首都圏が大規模被災し機能しないケースを想定して訓練していた。遠隔地域に代替拠点を立ち上げ、本社と各支店が受援・支援側に分かれて情報共有と支援体制を構築した。

B 代替拠点を置いて訓練をする動きは他でも見受けられた。広域被害が懸念される南海トラフ地震の発生を想定して、海外に情報収集の拠点を設置する訓練を展開した企業もあった。

C 8月8日に宮崎県・日向灘を震源とするマグニチュード7・1の地震発生を受け、気象庁から初めて南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」が発表された。今回は、「注意」ということもあって、自治体や企業の多くは静観していたが、防災訓練の取材に行くと、より発生の恐れが強い「警戒」が発表された場合はどうするのかという不安の声も聞かれた。

B 被災が予想される地域の業務をどうしたら良いのか、即応態勢を取るとしてもどこに人を集めるか、考えなければならないことは多い。

D 神奈川県では、大規模災害時に建設機械などの資機材を提供するという協定を地域の建設業と警察署の間で結んだ事例がある。

C 人命救助活動や道路啓開活動などに建設機材の活用が期待できるが、建設業者だけではマンパワーが足りない。地域レベルでの多様な連携をいかに強めていくかが、大災害時に命を守ることに直結する。

◇継続した議論で好事例の拡大促す

効果的な議論に向け、要望先を国交省本省、 地方整備局、自治体などと明記する新しい 工夫を取り入れた


A ところで、建設コンサルタンツ協会の地方ブロック意見交換会が最終盤に入った。今年の状況は。

E 7月25日を皮切りにスタートし、残すところは17日の北陸と10月17日の沖縄のみだ。この間、豪雨や地震など災害は絶えなかったが予定どおり進行してきた。

F これまで四つの柱で構成した「要望と提案」を大きく6章立てに組み直し、要望の相手先を国土交通本省、地方整備局、地方自治体と明示して、それぞれに対応を求めていく形とした。課題のテーマが共通していても、全ての発注者に要望が共通するわけではない。要望先を整理したことで、より双方向的な議論が展開されているのではないか。

A 議論の展開は。

E 担い手確保・育成のための環境整備は、やはり履行期限の平準化が中心的な話題だ。四半期別の納期実績は改善が進むが、協会が提案する目標との隔たりは依然として大きい。ただ、2024年度計画に加えて第1四半期の実績値や第2四半期以降の見込みを提示する整備局もあるなど、本気度の高さは感じるね。

F 地方自治体には、プロポーザルや総合評価方式の採用を強く求めた。協会側は、総合評価などを導入した自治体に対するヒアリングを基に、導入拡大に向けた工夫や効果を紹介していた。

E 関東ブロックでは、岩崎福久関東地方整備局長が、地域建設コンサルタントの持続的な成長につながる環境構築を自治体に呼び掛ける場面もあった。担い手不足に対する危機感は、自治体側も共有しているはずだ。継続的な対話を通した「好事例」の広がりを期待したい。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら