中野洋昌国土交通相と建設業主要4団体トップは11日、東京・霞ヶ関の同省で意見交換会を開き、建設業界の賃上げと生産性向上を引き続き官民一体で進めることで一致した。現下の予算執行状況を踏まえ、建設業界に十分な施工余力があることも確認。団体側からは物価高騰を反映した公共事業予算の確保とともに、第1次国土強靱化実施中期計画の初年度予算の早期編成を求める声が上がった。 国交省からは中野国交相や水嶋智事務次官、廣瀬昌由技監ら幹部、団体からは日本建設業連合会の宮本洋一会長、全国建設業協会の今井雅則会長、全国中小建設業協会の河崎茂会長、建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長らが出席した。
意見交換会のテーマは、▽2026年度概算要求▽賃上げ▽生産性向上--の3点。2月の車座対話で石破茂首相の立ち会いの下、国交省と4団体が申し合わせた「おおむね6%」とする技能者の賃上げ目標や、生産性向上の取り組みの進捗(しんちょく)を確認した。
冒頭、楠田幹人不動産・建設経済局長は公共事業予算の執行状況を説明。当初、補正とも執行は順調とし、「適正な価格と工期で発注されれば、公共、民間問わず十分に施工可能な余力がある」と述べた。
公共投資の拡大が民間投資を抑制するとされる「クラウディングアウト」にも言及。公共は土木、民間は建築が中心ですみ分けがされているため「こうした指摘は当てはまらない」と財政当局の主張を退けた。
宮本会長は「当初予算の公共事業関係費は横ばいだが資材価格の高騰などを考慮すると事業量は目減りしている」と指摘し、当初での公共事業関係費の拡大を求めた。実施中期計画の事業を進めるため従来を上回る補正予算の早期編成も要望した。
また、供給力の不足で各社の手持ち工事高が増加しているとの一部報道に触れ、「手持ち工事高の増加は物価高騰による名目工事費の増加や工事の大型化・長期化の側面が大きい。今後も十分な施工体制を確保することが可能だ」と強調した。
今井会長は実施中期計画の予算について「計画規模20兆円強の半分を公共事業費と想定すると、初年度は少なくとも2兆円を超える公共事業費を確保してほしい」と訴えた。
資材価格や人件費の高騰で実質的な建設投資額と発注件数が減少し、会員の半数が受注環境の悪化を訴えている窮状も報告。その上で「業界の努力もあり不調不落は減少傾向だ。地域建設業の施工余力は十分にある」と力を込めた。
河崎会長は実施中期計画の初年度分について「先の見える予算として当初予算に計上してほしい」と要請。施工余力については「特に問題はない。むしろ仕事が少なく十分な余力がある」と述べた。
岩田会長は「専門工事業界では現場の施工余力は全く問題がない」と断言した。また、担い手確保に向けた各社の処遇改善を進めるため、価格から質を重視する商習慣に転換する必要性を強調した。
最後に中野国交相は会合を総括し、「活発な民間投資にも応えながら公共事業予算の足元の執行も順調であり、施工余力に問題がないことを確認できた。引き続き円滑な予算執行に協力してほしい」と呼び掛けた。
意見交換会のテーマは、▽2026年度概算要求▽賃上げ▽生産性向上--の3点。2月の車座対話で石破茂首相の立ち会いの下、国交省と4団体が申し合わせた「おおむね6%」とする技能者の賃上げ目標や、生産性向上の取り組みの進捗(しんちょく)を確認した。
冒頭、楠田幹人不動産・建設経済局長は公共事業予算の執行状況を説明。当初、補正とも執行は順調とし、「適正な価格と工期で発注されれば、公共、民間問わず十分に施工可能な余力がある」と述べた。
公共投資の拡大が民間投資を抑制するとされる「クラウディングアウト」にも言及。公共は土木、民間は建築が中心ですみ分けがされているため「こうした指摘は当てはまらない」と財政当局の主張を退けた。
宮本会長は「当初予算の公共事業関係費は横ばいだが資材価格の高騰などを考慮すると事業量は目減りしている」と指摘し、当初での公共事業関係費の拡大を求めた。実施中期計画の事業を進めるため従来を上回る補正予算の早期編成も要望した。
また、供給力の不足で各社の手持ち工事高が増加しているとの一部報道に触れ、「手持ち工事高の増加は物価高騰による名目工事費の増加や工事の大型化・長期化の側面が大きい。今後も十分な施工体制を確保することが可能だ」と強調した。
今井会長は実施中期計画の予算について「計画規模20兆円強の半分を公共事業費と想定すると、初年度は少なくとも2兆円を超える公共事業費を確保してほしい」と訴えた。
資材価格や人件費の高騰で実質的な建設投資額と発注件数が減少し、会員の半数が受注環境の悪化を訴えている窮状も報告。その上で「業界の努力もあり不調不落は減少傾向だ。地域建設業の施工余力は十分にある」と力を込めた。
河崎会長は実施中期計画の初年度分について「先の見える予算として当初予算に計上してほしい」と要請。施工余力については「特に問題はない。むしろ仕事が少なく十分な余力がある」と述べた。
岩田会長は「専門工事業界では現場の施工余力は全く問題がない」と断言した。また、担い手確保に向けた各社の処遇改善を進めるため、価格から質を重視する商習慣に転換する必要性を強調した。
最後に中野国交相は会合を総括し、「活発な民間投資にも応えながら公共事業予算の足元の執行も順調であり、施工余力に問題がないことを確認できた。引き続き円滑な予算執行に協力してほしい」と呼び掛けた。