東京都中央区の日本橋茅場町一丁目6地区で検討が進む個人施行による第一種市街地再開発事業の概要が明らかになった。金融貢献機能や商業機能を盛り込んだ延べ約4万1000㎡の超高層オフィスビルを建設する計画だ。平和不動産などが事業参画する。
同地区では、2015年に地権者勉強会が発足。今年8月には区まちづくり基本条例に基づく区と区民との協議を行った。同条例に基づき、平和不動産などは25、28の両日に住民説明会を開く。今後、25年2月の都市計画案の公告・縦覧を予定する。同年4月に区の都市計画審議会に諮問し、5月の都市計画決定を目指す。
計画では、日本橋茅場町1-6の一部、約0.6haに、地下3階地上27階建て延べ4万1650㎡の複合ビルを建設する。高さは約140mとなる。東京メトロ東西線茅場町駅と地下鉄コンコースで接続し、金融拠点・兜町の顔となる象徴的なアトリウムは、商業施設も盛り込み街のゲート空間を形成する。オフィスフロアには、少人数向けのワークプレイス・交流施設やビジネス支援施設なども一体的に整備する。隣接する区道第33号線は日枝神社に面していることから、同神社境内を拡張し、境内のまとまった緑を生かした沿道緑化や緑豊かな憩いの空間も創出する。
地域貢献の観点から、防災や環境面の対策も整える。防災面では、地下1階に帰宅困難者用の防災備蓄倉庫(約50㎡)や地下2階に地域住民用の防災備蓄倉庫(約30㎡以上)を整備する。10階には非常用発電機を設置。被災時には地下1階-地下3階の計400㎡に240人程度を収容できる一時滞在施設に、約72時間の電力を供給できるようにする。
環境面では、太陽光発電設備の導入や雨水を利用するための貯留施設を設置し、災害時にはトイレ洗浄水としての利用も見込む。
外観は、隣接するビル「KABUTO ONE」との調和や金融のまちとしてのアイデンティティーに配慮し、連続性を意識した一体感ある景観を形成する。