大分県別府市は、温泉地を利用した新たな地域活性化策「新湯治・ウェルネス拠点施設構想」について、中核となる研究実践拠点施設の建設地を大平山のふもと約4haに決めた。腸内細菌データを蓄積・解析・管理する施設のほか、市民や観光客向けの温浴施設などを官民連携で整備・運営する。
10日の記者会見では、建築家の坂茂氏が作成したデザインコンセプトを公開した。2024年度12月補正予算案に基本計画策定費を計上する。
研究実践拠点は、市民が日常的に利用する「市民エリア」、観光客が利用する「ゲストエリア」「事業者提案エリア」、腸内細菌の管理などを行う「ラボエリア」で構成する。具体的な施設配置や施設規模、事業手法などは基本計画で検討する。事業手法の選定では、サウンディング調査の実施を予定している。
デザインコンセプトでは、敷地の傾斜に沿って段々に施設を設け、大平山の地形が大きく変わらないように計画。ランドスケープの大部分は、石や樹木などの自然素材で構成し「あたかも自然がつくりだした風景に見える」ようにした。
同市には、多様な宿泊施設や温泉、運動・リラクセーション施設が立地しているが、各施設を運営する事業者間の連携が不足している。今後は、これらの施設で得たデータを科学的に分析する研究・実践拠点を整備し、民間事業者が活用することで相互連携を促す。長野恭紘市長は記者会見で「任期が終わる2年半後までの着工を目指す」と述べた。
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