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横浜市の保土ケ谷区にある西谷浄水場の再整備事業(大成建設JV)で国内最大級の不断水分岐工事が進んでいる。口径2mの水道管本管を、通水を止めずに新規排水管に切り替えるもので、この規模の工事は全国でも実績が少ないという。切り替えポイントは東と北の2カ所で、9月19日には、コスモ工機が施工する東側立坑でのせん孔作業を報道公開した。 市は、耐震化や処理能力増強などを目的に西谷浄水場再整備事業を進めている。ろ過池を新設するために既設配管の切り回しが必要となるが、移設する西谷幹線は最重要幹線で断水ができないため、不断水分岐工事を採用した。この不断水分岐工事を施工できるのは、国内でコスモ工機と大成機工の2社のみ。北側の不断水分岐工事は大成機工が11月に実施する予定だ。
コスモ工機が採用するのは、「不断水特殊分岐管Cカット」という工法。既設管を上部からせん孔し、外径の約半分をC形にカット、分岐管への通り道を作る。この日は午前中からせん孔機のカッターで切り進めており、見学会時点の午後2時には60cmほど進行。5時までに切断を終了した。
立坑の中では、新設水道管やせん孔さなかの既存排水管を間近で見ることができ、北側立坑ではバッテリー式管運搬台車がジャッキで管を持ち上げて運んでいる状況も確認できた。
横浜市の敦賀仁水道局施設整備課長(再整備推進担当)は、「市民が断水を経験することのないように市でもさまざまな取り組みを行っているが、その裏側には高い技術力やノウハウがある。それらを駆使して実際に施工を行う工事関係者に支えられて今の安定した給水ができていることを、多くの人に知ってもらいたい」と話す。
「西谷浄水場再整備事業(浄水処理施設)に係る整備工事」はDB(設計施工一括)方式を採用しており、元請けは大成建設・水ingエンジニアリング・シンフォニアテクノロジー・NJSJV。配管取りまとめはデック、不断水工事は東側がコスモ工機、北は大成機工が担当している。