大成建設を代表とするJVが進めている西谷浄水場再整備事業で、口径2mの既設管を撤去するための国内最大級の不断水止水工事が大詰めを迎えている。21日、大成機工が実施する不断水インサート工法による既設管の切断、クレーンでの切断機と切断片の引き上げなどを報道公開した。この後、同社が同工事のために開発したインサート閉塞栓を切断部に接続し、工事完了となる予定だ。
ろ過池を新設するために配水管を移設する工事を実施している。2024年11月に不断水で新設管に切り替えた。その後、新設管の洗浄や採水試験が終了し、既設管と新設管の両方に水が流れていた。
今回の既設管撤去工事は、東と北の2カ所で実施し、3月6、7の両日に東側でコスモ工機による不断水止水工事が実施された。21日時点では、既設管に水は通っていないものの、流れ込んだ水が溜まっているという状況だった。
大成機工が開発したインサート閉塞栓は、作業用タンク内で既設管を不断水で切断した後、切断部に特殊割継輪によって接続する。従来工法では、バルブと管末が残置されるが、閉塞栓を使うことで切断箇所に管末を設置することができ、残置物が少なくなる。また、防護コンクリートや掘削量も減らせるなどのメリットがある。
当日は、大成機工が担当する北側の作業タンク内での既設管切断後、クレーンで切断機と切断片を引き上げて受け台に固定するまでの一連の流れを公開した。口径1m以上の不断水工事ができる専門工事業者は、国内でコスモ工機と大成機工の2社のみ。
「西谷浄水場再整備事業(浄水処理施設)に係る整備工事」は、DB(設計施工一括)方式を採用しており、元請けは大成建設・水ingエンジニアリング・シンフォニアテクノロジー・NJSJV。