【記者座談会】24年度下期ブロック監理課長等会議/自民強靱化本部長に佐藤参院議員 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

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【記者座談会】24年度下期ブロック監理課長等会議/自民強靱化本部長に佐藤参院議員

◇市区町村の週休2日、25年度に1件以上実施

A 2024年度の下期ブロック監理課長等会議が終了したけど、今回の成果はどうだった。

B 国土交通省、都道府県、政令市が、市区町村を含む地方自治体の入札・契約適正化について意見を交わし、全市区町村で週休2日制工事の実施を目指すことを申し合わせた。25年度中に、全ての市区町村で1件以上実施してもらう。市区町村の年度目標を設けたのは初めてという。

C 国交省の入札契約適正化法に基づく23年度調査結果によると、週休2日制工事の実施割合は、都道府県と政令市が100%なのに対し、市区町村は22%にとどまった。時間外労働の上限規制適用が始まった中、明確に期限を設けることは働き方改革の加速化という意味でも効果的だ。

D ただ、週休2日の実施だけで上限規制をクリアできるわけではない。平日に残業が生まれる環境の改善を並行して進めなければならない。設計図書と現場条件の乖離(かいり)などに起因する発注後の一時中止や手戻りは、残業発生の一因となっている。書類の多さも依然大きな課題だ。受発注者が共通の危機感を持って、各種課題に向き合い取り組む必要がある。

B 国交省は、地方自治体の入札契約適正化の取り組み状況がひと目で分かる「入札適正化マップ」も公開している。週休2日制工事だけでなく、施工時期の平準化やダンピング(過度な安値受注)対策など、入札契約に関する各市町村の取り組み状況を地図に落とし込んで「見える化」し、自発的な入札契約制度の改善を後押ししている。

C 近隣をはじめとする他自治体の現状や動向もチェックしながら、それぞれが目標年度までに週休2日制工事、さらには根本的な課題解決に挑むことを期待したいね。

◇早期策定に注力、参院選後の体制にも関心

自然災害が頻発化・激甚化するわが国において、防災・減災、国土強靱化は待ったなしで、終わりはない  (写真:北陸地方整備局発表資料より)


A 日々の紙面を見ていてもひしひしと感じるけど、国土強靱化を巡る動きが活発になっているようだね。

B とりあえず、国土強靱化5か年加速化対策の最終年度分を措置する24年度補正予算案に、加速化対策の公共事業関係費として1.4兆円が盛り込まれたことに業界は安堵(あんど)している。閣議決定時に示された「国費ベースで5年7兆円台半ば」にそのまま沿うと、最終年度はこれまでより大きく目減りし、1兆円を下回ることが確実視されていただけに、国交省や与党に対する感謝の声の大きさもひとしおだ。

A 国土強靱化といえば、これまでも当然キーマンだったけれど、建設産業界の職域代表の佐藤信秋参院議員が、自民党の国土強靱化推進本部長に就任した。

C 長らく本部長を務めてきた二階俊博元幹事長、さらには本部長代行だった林幹雄元幹事長代行の相次ぐ政界引退に伴い、国土強靱化の今後の行方を心配する声は方々から聞こえていたが、財務当局との折衝力に定評のある佐藤氏の起用はまさにこの人しかいないという適任人事だろう。

D 佐藤本部長は目下、5か年対策の後継、そして強靱化施策の将来を占う存在として、業界が大きな関心を寄せる国土強靱化実施中期計画の策定作業に注力している。本紙などのインタビューでは、まず大枠となる規模を早急に示し、その後に具体的な中身を詰める2段階での策定を主張していた。業界団体の会合などでは、5年25兆円規模は必要とも訴えている。

B 実に頼もしい存在だけど、職域代表のポストは、来夏の参院選で後輩に譲ることが決まっている。強力な後継者に期待するとともに、業界としてはまず参院選で建設の力を見せつけることが大事だ。

 

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