福岡市は23日、同市初の地下河川整備事業となる「準用香椎川河川改修(地下河川)工事」のシールドマシン発進式を東区香椎駅前の現場で開いた。内径4500mm、長さ712.8mの地下河川となるトンネルを整備する。施工は前田建設工業・日本国土開発・羽野組・サンコービルドJVが担当している。
発進式では、高島宗一郎市長が「豪雨に強い川となることで、まちの安全・安心の確保を期待する。安全第一で、事故なく無事に完成させてほしい」とあいさつした。この後、市長と地元自治協議会、施工者の代表者らが起動ボタンを押し、シールドマシンを発進させた。
前田建設工業の石田能康常務執行役員は「品質管理の徹底はもちろん、無事故・無災害での完成に努める」と誓った。
国の補助制度「準用河川改修事業」を活用した河川改修を実施する。香椎川上流側に流入施設(流入立て坑)、下流側に流出施設(流出立て坑)を建設し、河床から深さ約10mの場所に両施設を結ぶトンネルを整備する。トンネルは1日に最大9.6m程度掘り進め、7月ごろの掘削完了を予定している。その後、流入・流出施設の整備や河川との接続を実施する。工期は2026年3月13日まで。全体事業費は約50億円。
香椎川流域の香椎地区は、駅周辺土地区画整理事業などによる急速な市街化の進展に伴って雨水流出量が増加し、1999年水害を始めとした浸水被害が発生している。今回の河川改修により、1時間当たりの降水量が70mmを超える場合は自動でゲートが開き、毎秒20tの水を地下河川に流して本川の水位上昇を抑える。