日本スポーツ振興センター(JSC)がPFI事業者に鹿島を代表企業とする「Scrum for 新秩父宮」を選定した「新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業」の規模と着工スケジュールが分かった。新ラグビー場は延べ約7万2000㎡を見込み、2026年2月の着工、29年11月の完成を目指す。
都が公表した特定区域等脱炭素化方針によると、ラグビー場棟はS・RC・SRC造地下1階地上8階建て延べ7万2150㎡で、建築面積は2万5050㎡。このほか、集会所など6万4850㎡、工場など6850㎡、飲食店など450㎡で構成する。
施設ではCASBEE(建築環境総合性能評価システム)Sランク、LEED(環境性能評価システム)のGOLD認証、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)Readyを目指すなど、脱炭素化に向けた環境対策にも注力する。稼働時の29年には、一般的な同用途施設と比較して、温室効果ガス49%削減を掲げ、40年の運用時にはグリーン電力証書などの活用によって75%、50年に100%削減を目指す。
この達成に向け、屋根全面に太陽光パネルを配置して1000kW相当のエネルギーを確保する。高性能断熱材やLow-E複層ガラスを採用するほか、インバーター方式のターボ冷凍機や給水ポンプ、力率改善自動調整機能付制御システム、26年トップランナー基準の高効率変圧器の導入などによって、エネルギーの効率化に取り組む。
さらに、BEMS(ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム)によるエネルギー管理や躯体材料への電炉材採用、緑地エリアの雨水浸透や既存樹の保存による生物多様性にも配慮する。
Scrum for 新秩父宮は、三井不動産、東京建物、東京ドームが構成員、協力会社として松田平田設計、読売新聞東京本社、日本テレビ放送網、エイベックス・エンタテインメント、ニッポン放送、ソフトバンク、鹿島建物総合管理、ALSOK常駐警備、東京ドームファシリティーズ、東京不動産管理が参加する。
22年8月のPFI事業者選定時点では、施設整備費に489億2000万円を見込むとしていた。