【記者座談会】新秩父宮ラグビー場PFI事業者が決定/残暑続く、熱中症に注意 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【記者座談会】新秩父宮ラグビー場PFI事業者が決定/残暑続く、熱中症に注意

A 日本スポーツ振興センター(JSC)が募集していた「新秩父宮ラグビー場(仮称)整備・運営等事業」のPFI事業者が鹿島を代表者とするグループに決まった。楽天を代表者とするグループの入札金額は225億7443万6000円、三菱地所を代表者とするグループは357億5063万6958円で、鹿島グループの81億8181万8182円とかなり差があった。

B 施設整備費とスポーツ博物館の維持管理費を足した価格から運営権対価を引いた価格で入札した。鹿島グループは、施設整備費と博物館の維持管理費の合計が493億4061万0089円で、運営権対価411億5879万1907円を引いた。

C ほかの応札者の金額の内訳は明らかにされていないので何とも言えないが、施設整備費や維持管理費で140億円以上の違いが応札者によって出るとは考えにくい。JSCは、入札公告時に運営権対価の下限額を100億円としており、鹿島グループはその4倍以上の額を提示した。JSCも会見で、運営権対価に触れ「率直に言ってかなり大きい」と話していた。施設に外部向け飲食店を設けたり、多様なスポーツの利用を可能にするなどして、かなり大きな収益を見込んだのだと思う。

B 新ラグビー場も区域内に含まれる「(仮称)神宮外苑地区市街地再開発事業」との相乗効果により、大きな収益を見込んだのかも知れない。それにしても、かなりチャレンジングな運営権対価を設定しているようだね。JSCは「今後の国のスポーツ施設のPFI事業に良い影響を与えるかもしれない」と言っていた。周辺再開発と一体化したスポーツの施設のPFIであれば、大きな収益を見込めるかもしれないという期待が膨らむね。

外観パース。供用開始後は、熱い戦いが繰り広げられる (Copyright Scrum for 新秩父宮)

温暖化防止へCNの取り組み重要

 
A 全国で記録的な猛暑が続き、今夏も熱中症で多くの人が搬送されている。厚生労働省は、職場における熱中症予防対策の徹底を要請した。WBGT(暑さ指数)に応じて、作業中断の徹底などを求めた。

B 間もなく8月も終わり、9月を迎える。感覚としては、朝晩は少しずつ涼しくなってきてはいるけれど、昼間はまだまだ暑く、当面この状況が続きそうだ。気温が低下しても、湿度が高いと熱中症になる可能性があり、これからも注意が必要だね。

C ことしの夏は、今までになく暑かった。気象庁の異常気象分析検討会の分析結果によると、6月下旬から7月初めにかけての記録的な高温は、日本付近において上層の亜熱帯ジェット気流が北に蛇行して、上層の高気圧と地表の太平洋高気圧がそれぞれ記録的に強まったところに、持続的な温暖化傾向が加わったことによるそうだ。

D 梅雨は早く明けたけど、その後の雨が多かった。7月中旬にかけて各地に大雨をもたらした要因は、日本の北方でブロッキング高気圧が持続したほか、亜熱帯ジェット気流が日本の近くで南に蛇行して、上層の寒気の影響を受けやすかったことが考えられるとのこと。7月末から8月中旬に亜熱帯ジェット気流が北上したことから、北日本付近に前線が停滞して大雨をもたらし、西日本を中心に高温となったとしている。

A ことしの猛暑は、温暖化が絡んでいたんだね。大雨などの気象災害に備えるため、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の推進とともに、温暖化防止にカーボンニュートラルに関するさまざまな取り組みも重要となる。

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