2025年日本国際博覧会のシンボルである『大屋根リング』がついに完成した。24年9月の躯体完成後、植栽などの作業を経て、2月27日までに検査が完了し、28日に施工業者から博覧会協会に引き渡された。
博覧会協会の石毛博行事務総長は「万博の目玉である施設の完成は大きな節目となる。整備に携わってもらった企業の皆さんに感謝している。大屋根リングには『多様でありながら、ひとつ』という思いが詰まっている」と話した。
大屋根リングは、会場デザインプロデューサーである建築家の藤本壮介氏が構想。日本の伝統的な貫接合の技術に現代の工法を加えた、建築面積(水平投影面積)6万1035㎡、全周約2㎞に及ぶ世界最大級の規模を誇る木造建築物だ。
使用した木材の7割は国産(スギ、ヒノキ)で、3割は外国産(オウシュウアカマツ)となっている。
リングには外周・内周の歩行エリア(スカイウォーク)を設け、上空から会場全体を見渡すことができるほか、瀬戸内海が夕日を浴びた光景や、大阪の街並みなどを展望することができる。
工事は3工区に分割して進めた。西工区は竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木JVと昭和設計のグループ、北東工区は大林組・大鉄工業・TSUCHIYAJVと安井建築設計事務所のグループ、南東工区は清水建設・東急建設・村本建設・青木あすなろ建設JVが担当した。
建設地は、大阪市此花区夢洲。