【記者座談会】採用活動がスタート/横浜・園芸博まで2年 | 建設通信新聞Digital

5月2日 金曜日

公式ブログ

【記者座談会】採用活動がスタート/横浜・園芸博まで2年

◇多様な人材確保へ建設業の魅力発信が不可欠

A 2026年3月に卒業予定の大学3年生・院生向けの採用広報活動が1日、政府ルール上で解禁された。

B とはいえ採用活動は早期化しており、既に内定を得ている学生が5割近くに上るという調査結果もある。人手不足が深刻化する中、各社の採用戦略が問われている。

C 就職情報大手のマイナビは1日、約5700社、約150業種が出展する国内最大規模の新卒向け合同会社説明会「就職EXPO」を開始した。初日のメイン会場となった千葉市の幕張メッセには約160社が出展。会場には多くの学生が詰めかけ、熱気に包まれた。

国内最大規模の新卒向け合同会社説明会「就職EXPO」初日の幕張メッセには多くの学生が詰めかけた


A 一昔前であれば就活生が合同説明会に行くことは当然だと思われていたけれど、こうした状況は今も変わらないのかな。

B 実はコロナ禍を経て、そのやり方にも徐々に変化が出てきているようだ。リクルートは20年以降、新卒向けの合同会社説明会のオンライン化を進め、23年春以降は現地開催をせず、全てウェブ開催に切り替えた。担当者によれば、学生だけでなく企業の負担も軽減されるため、メリットは大きいという。

A なるほど。一方、当紙の「人事戦略2025」の調査では、多くの企業で採用活動の苦労が垣間見られる結果となった。

B 母集団形成に向けた新たなトレンドとして、工業高校生に加え、普通科の高校生にも採用の門戸を広げる企業が増えている。DX(デジタルトランスフォーメーション)やIT系人材の採用を強化する企業も多い。

C 採用の在り方も、時代の変化とともに進化している。多様な人材を取り込むためにも、建設業界の魅力を発信する重要性は、これまで以上に高まっている。

◇自然共生の幸福感を可視化 コスト管理には苦慮

A ところで、25年大阪・関西万博が4月13日の開幕まで、あと1カ月を切った。横浜の国際園芸博覧会(GREEN×EXPO2027)も19日で開催までちょうど2年になる。

D 最上位「A1クラス」の国際園芸博覧会で、日本では1990年に大阪市の鶴見緑地で開かれた「国際花と緑の博覧会」以来となる。

E 今回の博覧会には、前回の博覧会ではあまり意識されていなかったであろう意義も込められている。「GREEN×EXPO」の「GREEN」は、「植物」や「緑」を表すだけでなく、「自然」や「環境にやさしい」という意味を表している。自然と共生した持続可能な社会の幸福感を可視化することがこの博覧会のテーマで、GX(グリーントランスフォーメーション)を推進する昨今ならではのテーマだとも言える。

D 現在はインフラ工事や駐車場・ターミナル工事などが進んでいる。市内では開催に向けたイベントが開かれたりと機運醸成も盛んに行われているよ。

E 10日には2027年国際園芸博覧会協会が会場建設費の変更について関係機関に要請した。当初執行想定額の320億円から417億円に増える見込みという。

D 増額分には、異常気象や災害に対応するための予備費も盛り込まれている。屋外中心の会場のため、気象条件の変化による影響を受けやすいからでもある。コスト抑制策も講じていて、施設機能の複合化や視野に入らない建物の裏側を簡素化する計画に変更している。

A 大阪万博の会場建設費も当初予算から500億円増額された。資材費・労務費が高騰している局面だけに、事業期間の長いプロジェクトはコスト管理が本当に難しいね。
 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら