【建築新人戦】最優秀新人賞は渡辺拓海さん(近畿大)の「Disorderly space-雑多性に伴う展示空間の提案-」 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【建築新人戦】最優秀新人賞は渡辺拓海さん(近畿大)の「Disorderly space-雑多性に伴う展示空間の提案-」

作品模型

 「建築新人戦2017」(実行委員長・中村勇大京都造形芸術大教授)の公開審査会が23日、大阪市の梅田スカイビル・ステラホールで開かれた=写真。日本全国から応募された902作品の中から、渡辺拓海さん(近畿大3年)の「Disorderly space-雑多性に伴う展示空間の提案-」が最優秀新人賞に選ばれた。
 同日は、1次審査を通過した100作品の中から2次審査通過16作品、入賞8作品を午前中に選出。午後は公開でプレゼンテーションと質疑応答を行い、最優秀1点と優秀3点を決めた。優秀新人賞には、深井麻理奈さん(立命館大3年)の「交流を育む、食を育む、健康を育む」、伊藤健さん(京大、3年)の「響とアゴラ/Kyoto Agora」、増渕加奈子さん(早大3年)の「topologist」を選出した。入賞者には表彰状、上位4者と総合資格学院学院長賞に選ばれた大方利希也さん(明治大3年)の「いまを生き。つなぐ。」には共催の総合資格から副賞が贈られた。

最優秀新人賞の渡辺さん

 渡辺さんの作品は、路地やスラム、森、商店街の雑多さを分析して得たパターンを取り入れた美術館のプロジェクト。大阪ビジネスパーク西端を敷地に設定し、雑多性をアートととらえた展示空間を提案している。渡辺さんは「自信がなかったので選ばれてびっくりしている。審査員からいただいた言葉では、自分が意識していなかった問題点の指摘が印象的だった。将来建築家になるため、一層頑張っていきたい」と喜びの言葉を述べた。
 総合資格関西本部の福西健一本部長は午後の審査に先立ち、「建築新人戦に参加した経験は必ず役に立つ。今後ますます活躍されることを期待している」とあいさつした。

公開審査の様子

 審査終了後、審査委員長を務めた乾久美子横浜国大大学院教授は講評の中で「2-3年生の作品とは思えない力作ぞろいで、驚いている。16選に選ばれた人は今後必ず建築家になって、社会が抱える問題を1つでも解決する人になってほしい」と呼び掛けた。
 審査委員は佐藤淳東大大学院准教授、畑友洋神戸芸術工科大准教授、光嶋裕介神戸大客員准教授、武田史朗立命館大教授、増田信吾武蔵野美術大非常勤講師が担当した。

 上位4点を除く入賞作品は次のとおり(敬称略)。
 ▽工藤浩平(東京都市大3年)=建築2.0をめざして-空間的自明性の強調-▽藤田一摩(横浜国立大3年)=路地にあふれる職と暮らし▽吉村萌里(近畿大2年)=移ろう居場所▽大石理奈(名古屋工業大3年)=建築は自然に呼応する。

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