【小松精練と東大隈研】「建築の衣服化」も可能! 炭素繊維などのJIS化材料を一堂に集め紹介 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【小松精練と東大隈研】「建築の衣服化」も可能! 炭素繊維などのJIS化材料を一堂に集め紹介

中山会長(左)と隈氏

 小松精練と東京大学工学部建築学科隈研吾研究室は26日、東京都文京区の同大学内で共同プロジェクト「サスティナブル・プロトタイピング・ラボ」の研究成果報告会を開いた。来秋にもJIS(日本工業規格)化される熱可塑性炭素繊維複合材料「カボコーマ」や、多孔質セラミックス「グリーンビズ」などの材料を生かし、隈氏が設計した建物などへの実装事例を一堂に集めた。
 隈氏が設計した茨城県境町の道の駅では、合成繊維の天然染めを実現した「オニベジ」の技術を応用し、地元産のさしま茶で、地域の特色を色で表現した柔らかな天井材を作成。「硬い、重い印象の建築を柔らかに衣服化できる」(隈氏)と、建築素材の次のトレンドに繊維を挙げた。

木と相性良いCFRPで耐震補強を提案

 また、カボコーマについては、ワイヤ状のストランドロッドで耐震補強した同社研究所fa-boなどの実績を紹介。同社の中山賢一会長はファナックと共同で炭素繊維強化樹脂(CFRP)射出形成技術を確立したとして、緊張材に加えて、ねじ、ナット、端部金物すべてをCFRPで製作したオール・カーボンによる木造建築用の耐震補強モックアップを紹介した。
 また、グリーンビズについては、隈氏がポートランド日本庭園(米国)の屋根の緑化に使用。「景観との調和、環境貢献の高さが現地で高く評価された」とし、その高い保水効果は「自ら水を溜めるグリーンインフラとして、都市洪水の被害軽減にもつながる」と、都市の防災を支える技術としての役割も強調した。
 中山会長は、「この4年間で着実にマーケットに認証されてきた」と隈氏との協働に手応えを示した。その上でカボコーマのJIS化により「国内にある5000-6000棟の重要文化財の耐震補強に応えられる技術だ」と強調。さらに鉄道駅の昇降式ホームドア柵でも「かなりの需要が見込める」と語った。

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