建設通信新聞

書籍案内
お申し込み ログイン
ヘッドライン
新着ニュース
  • 新着ニュース
    • 行政
    • 企業
    • 団体
    • 人事・訃報
    • インタビュー
    • その他
    • 北海道・東北
    • 関東・甲信越
    • 中部・北陸
    • 関西
    • 中国・四国・九州
    • 全国・海外
  • WEB刊
  • 動画 NEWS
購読お申し込み 書籍案内
    ホーム > WEB刊 > 公式ブログ > 【次代を担う建築家、大阪・関西万博に込めた思い】佐々木慧氏/素材のサイクル見つめ直す
公式ブログ

【次代を担う建築家、大阪・関西万博に込めた思い】佐々木慧氏/素材のサイクル見つめ直す

最終更新 | 2025/10/08 14:04

Facebookでシェアする
文字サイズ

 

◆動画ニュースはこちら
動画はこちらから

ポップアップステージ 北


 axonometricの佐々木慧氏が、「人によってさまざまな捉え方ができる建築」を目指すのは、建築が崇高なものではなく、「誰もに開かれた存在であるべきだ」と考えるためだ。開かれた建築こそが、人と人、人と社会をつなぐ–。“媒体”となる建築を実現する上で可能性を見いだすのが「素材のサイクルを見つめ直す」ことだ。ポップアップステージ 北では、建築材料が循環していくこれまでにない手法を考案した。

佐々木氏


 無数の木が宙に浮かぶ空間に足を踏み入れると、森の中にいるように錯覚する。それもそのはず、森林で伐採された丸太材をほぼそのままの状態で利用しているため、自然のダイナミックさを肌で感じられるのだ。

 この場所の神髄は、その丸太材にある。「準備期間を含めて約1年で解体されるというジレンマがあった」からこそ、「使用した木材が万博会期終了後に建築材料として再利用される。しかもそれが仕上げのような限定された用途ではなく、構造体として使われる方法はないか」との問いを自身に投げ掛けた。

 そこで編み出されたのが、未乾燥・未製材の丸太を建築材料として使用するという方法だ。通常、木を建築材料として使用するためには平均半年から1年程度の天然乾燥の期間が必要となる。ここに目を付け、万博の会期を「木の乾燥期間として使う。会期終了後に製材して建材利用すれば、仮設の6カ月間をポジティブに捉えられる」と逆転の発想でポップアップステージ 北をつくり上げたのだ。

 一度使われた材料でありながら、次の場所ではまっさらな材として使用できるというこの再利用の在り方は、万博のコンセプト「未来社会の実験場」を体現する取り組みで、会期中にもその実験は続く。埼玉県に設置したモックアップも含めて施設のばく露試験を行い、丸太材の含水率や強度、重力の変化を検証しているという。

 丸太を浮かせたのは、森のような空間をつくり、会場内の「シンボルにしたい」という思いがあったためだけでなく、丸太材の乾燥を早める狙いもある。実際に丸太材の乾燥は日ごとに進み、収縮を続けている。

 収縮することで、施設状態に影響はないのか。ワイヤーを使用して部材を接合するテンセグリティ構造に、それを解決する秘密がある。この構造にすることで、丸太浮遊を実現するとともに、ターンバックル(ワイヤーを引っ張る道具)のまき具合でゆがみを簡単に調整できるため、収縮しても問題がないのだ。さらに、丸太への加工は端部だけのため、木材再利用にも支障がない。

 ランドスケープの一部となっている植物・コウゾにも、丸太の理論が当てはまる。コウゾは和紙の原料で、会期中に成長したコウゾが会期終了後には和紙に生まれ変わる。検討段階だが、ランプシェードや茶室に活用する未来を思い描いているという。

 佐々木氏が素材にこだわるのは万博に限った話ではない。一例として2024年には、市場に流通している半裁(牛の革)をそのままカップ状に丸めてチェアを製作。端材を出すことなく、貴重な素材を「惜しみなく使える方法」を発案し、素材の魅力に直に触れられる家具を生み出した。

 「現代建築で忘れられてきた、素材がどこから来てその後どうなっていくのかという前後のストーリーを明確にしながらつくる」という丁寧なものづくりが、人々の感情を動かし、愛着を生む。愛着が生まれてこそ、建築は“媒体”になれるのではないだろうか。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら

公式ブログ 建設通信新聞購読お申し込み

関連記事

  • 【教訓を未来へ】建築学会が東日本大震災10年を機にシンポジウム 歴代会長6氏がリ…

    最終更新 | 2021-03-10 15:01

  • 【伸展する関西の建設ICT⑪】BIMモデリングを清流化 大林組 × 応用技術

    最終更新 | 2021-11-26 15:34

  • 【次代を担う建築家、大阪・関西万博に込めた思い】野中あつみ氏、三谷裕樹氏/想像力…

    最終更新 | 2025-10-08 14:05

  • 【次代を担う建築家、大阪・関西万博に込めた思い】佐藤研吾氏/動き続ける建築へ変化…

    最終更新 | 2025-10-08 14:06

  • 【次代を担う建築家、大阪・関西万博に込めた思い】鈴木淳平氏、村部塁氏、溝端友輔氏…

    最終更新 | 2025-10-06 15:25

記事フリーワード検索

建設専門紙がつくる
工事データベース
建設工事の動きのロゴ
紙面ビューワ

本日の紙面

2026/02/26
key

2/20 更新!

  • 新聞の画像
    建設通信新聞
    月刊建設工事の動き
    見本請求
  • DIGITAL会員登録
    購読のお申し込み
  • 連載記事
  • 広告のご案内
  • リリースはこちら

公式SNS

アクセスランキング

  • 【3月18、19日に受付】3校統合中学校新築/兵庫・加西市

    掲載日|2026/02/18
  • 【大阪・大東市】延べ1.6万㎡に現地建替/新庁舎整備基本構想…

    掲載日|2026/02/24
  • マンション管理適正化法 4月1日施行/利益相反で事前説明が義…

    掲載日|2026/02/10
  • 【東池袋四丁目35番防災街区】8月の都計決定目指す/備準組合…

    掲載日|2026/02/25
  • 【西新宿六丁目再開発】28年度に組合設立/東急不が参画で6万…

    掲載日|2026/02/20
  • 会社概要
  • サイトマップ
  • サイトポリシー
  • 特定商取引法表記
  • 個人情報保護
  • 行動計画
  • お問い合わせ
Copyright ©2012-2026
The Kensetsutsushin Shimbun Corporation.