【記者座談会】公共事業費は依然横ばい/持続可能な産業へ決意 | 建設通信新聞Digital

1月11日 日曜日

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【記者座談会】公共事業費は依然横ばい/持続可能な産業へ決意

◇財源論とセットでの要望必要

A 2026年が始まった。事業規模を5年でおおむね20兆円強と定めた第1次国土強靱化実施中期計画も初年度を迎える。その予算を措置した25年度補正予算は既に成立しているが、積極財政を掲げる高市内閣初の編成となった26年度当初予算案を改めて振り返ってみよう。

B 政府の一般会計の総額は前年度比6.2%増の122兆3092億円で過去最大、このうち公共事業関係費は0.4%増の6兆1078億円だった。国土交通省の一般会計は前年度比2.0%増の6兆0749億円で、公共事業関係費には0.3%増の5兆2950億円を計上している。

C 公共事業費は相変わらずの横ばいで、資機材や労務費の高騰を背景に上昇し続ける建設物価の上がり幅には見合っていない。建設業界が問題視している、いわゆる実質事業量の減少は引き続き課題として残る形となった。

D 業界団体は予算編成過程で政府・与党に対し、業界の施工余力は十分にあり、むしろ実質事業量の減少によって地域建設業は仕事がないという実態を説明した。その上で、資材価格や労務費の上昇分が適切に反映された安定的な公共事業量を確保する必要性を訴え続けた。

B 要望を受けた政府・与党幹部の反応は上々だったものの、結果は前述のとおり。ガソリンの暫定税率廃止などもあり、財務当局の歳出抑制圧力も大きかったようだ。

C 高市政権が発足し、業界を取り巻く雰囲気は良くなっているとの見方は少なくないが、それが具体的には表れていない。結果につなげるためには、単に要望するだけでは足りないのかもしれない。例えば、農林水産省は、競馬事業の収益から日本中央競馬会が積み立てた資金の一部を農地の大規模化事業などに充てるという。

D レアケースだろうけど、自ら財源確保策を立案したようだね。いつだったか構想を耳にしたことがあったけれど、インフラの老朽化が全国各地で加速する中、メンテナンス税のようなものの実現を本気で考える必要があるかもしれない。義務的経費的な維持管理・更新の予算を新たなところから捻出できれば、経済成長に役立つインフラの新設や国土強靱化対策に回せる予算も増えることになる。

◇変化・挑戦で飛躍の年に

5日に開かれた建設業関係11団体の賀詞交歓会では持続可能な産業構造とするための決意を共有した


A ところで、多くの企業や官庁で仕事始めとなる5日には、建設業関係11団体の賀詞交歓会が開かれた。関係する団体や行政機関などから約1400人が集まり、会場は熱気があふれていたようだが。

C 第1次国土強靱化実施中期計画の決定や改正建設業法の全面施行を踏まえ、日本建設業連合会の宮本洋一会長や全国建設業協会の今井雅則会長ら主催団体からは生産性向上や働き方改革、技能労働者の処遇改善など持続可能な産業構造とするための決意が示された。

D 各社トップの年頭訓示からも挑戦、変化、飛躍といった言葉が多く見られた。働き方改革の一層の推進に加え、今年は労務費の基準(標準労務費)の適用が本格的にスタートする。近年ますます深刻化する担い手不足を克服するためにも、各社の不断の取り組みが必要不可欠になっている。

B 一方で、昨年末の東北、年明け早々の鳥取・島根と大規模な地震が全国で相次いでいる。国土強靱化、災害対応をはじめ建設業界が果たすべき役割は大きい。

D 今年の干支(えと)は午(うま)。さらにエネルギーが高まるといわれる60年に1度の丙午(ひのえうま)の年でもある。変化を将来への飛躍につなげていきたいね。

 

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