◇財源含め老朽化に向き合う年に
A 2025年末に首都高速道路が料金値上げ案を公表した。維持コストを賄うことが目的だとしているが、皆はどう見る?
B 端的に言って、当然の判断だ。人口減少が進む中で交通量の大幅な増加は見込めず、かといって国に支援する財源が十分にあるわけでもない。「使った分を使った人が払う」という帰結は欧米など海外の事例を見ても明らかだ。
C 首都高だけでなく、NEXCO各社などでも既に大規模更新が始まっている。従前からいわれているとおり、建設市場としてもメンテナンスの需要は底堅く続くだろう。
D 高速道路など料金が取れるインフラは問題ないが、一般道などの老朽化対策は財源確保に課題が多い。埼玉県八潮市の道路陥没事故を見て、多くの国民が老朽化対策は必要だとは感じているだろうが、実際にその負担をどのように求めていくかは一筋縄ではいかない。福祉や子育ての施策は票になるが、公共施設や水道料金の値上げが選挙で評価されるとは考えにくい。
E 先日、報道番組であるコメンテーターがインフラ老朽化対策について「痛みを伴うインフラ改革が始まる」と発言していたが、やはり多くの国民にとってインフラ投資はいまだ“痛み”なのだと痛感したね。
C PPP/PFIなど官民連携が一つの解決策になるとは思うが、こちらも「民営化だ」などと間違った認識によって非難されるケースも散見される。市議、県議のレベルでも全員が正しく認識できているか怪しいものだ。
E 早急に国家的な議論とコンセンサスが不可欠な状況にある。にもかかわらず、冒頭解散が報じられるなどいまだに政局ありき。今、真剣に考えなければ、次の世代がつけを払うはめになる。
◇魅力高め柔軟な発想で学生確保を
A 次世代と言えばこちらも昨年末の話だが、実践女子学園が大学の全学部・全学科を渋谷キャンパスに集約すると発表した。都内の大学で都心回帰の動きが強まっているようだが。
F 地方大学振興法で定められた「23区規制」が28年度末に失効することを見越した動きだろう。東京23区内の大学キャンパスの収容定員を制限する規制で、地方から都心への人材流出を抑制する狙いがあった。いったん都心に出ると地元に戻ってくる学生は正直少ない。
G 一方で大学側には「郊外キャンパスでは学生を十分に確保できない」という事情もある。人口減少が進み、大学進学者数が今後減少局面に入ると予測される中、23区内は生活の利便性や都市としての魅力が高いだけでなく、オフィスなどが多いことから社会人向けのリカレント教育でも強みを発揮できる。都心回帰の潮流は避けがたい面もあるだろう。
H 本当にそうだろうか。学生の確保や地方創生を考える上で、最適解な施策を慎重に見極める必要がある。現に「23区規制」に関係なく、魅力的な教育内容で学生を集めている地方大学は少なくない。例えば、北海道の公立はこだて未来大学はシステム情報科学部の単科構成とし、フィールドワークを通じて実際の地域課題に取り組む学習体系を構築している。また、栃木県の宇都宮大学は茂木町など11町が東京ガスと進める「道の駅」の脱炭素化を通じた地方創生プロジェクトに参画している。
A こうした事例を踏まえると、官・学ともに「学生を集めるなら都内キャンパス」という思考に固執し過ぎない姿勢が求められるだろう。ときに「弱点」と捉えられがちな地方の特性を強みに転換する柔軟な発想が大切だ。












