【記者座談会】団体賀詞交歓会 一丸となって「働き方改革推進」に決意新た | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

公式ブログ

【記者座談会】団体賀詞交歓会 一丸となって「働き方改革推進」に決意新た

建設業関係11団体の新春賀詞交歓会では1,200人の参加者が新年の門出を祝った


A 新たな年を迎え、多くの業界団体が賀詞交歓会を開いているけど、ことしの雰囲気はどうだろうか。
B 5日に開かれた建設業関係11団体の新春賀詞交歓会は、ことしも盛況だった。約1200人が新年の門出を祝った。働き方改革に向け、各団体が長時間労働の是正や週休2日の導入促進などを盛り込んで策定した計画やロードマップに沿った取り組みが2018年から本格化することもあり、業界一丸となった改革の推進に向けて、決意を新たにする場でもあったと思う。
C 社会保険の加入徹底や生産性向上、担い手の確保・育成といった昨年からのテーマに、長時間労働の是正や4月から登録開始予定の建設キャリアアップシステムの普及促進などが加わり、建設業界が大きな転換期を迎えていることを再確認させられた。特にキャリアアップシステムについては、ことしが「元年」となるだけに、先導役の日本建設業連合会からは、強い意気込みが伝わってきた。
D 主催者を代表してあいさつに立った日建連の山内隆司会長は、キャリアアップシステについて「これだけ幅の広いわが国の建設業が1つの目標に向かって突き進むのは初めての機会」とした上で、すべての技能者と工事現場の登録に業界を挙げて取り組む決意を改めて表明した。
B 一方で、昨年末からのリニア中央新幹線工事をめぐる事案もあり、どことなく微妙な空気が漂っていたようにも感じたけど。
C 業界一丸となった働き方改革の機運が高まり、取り組みがいよいよ本格化するというタイミングで浮上したリニア問題によるダメージは小さくない。真相の解明に向けて真摯(しんし)に対応してほしいね。
D ことしの干支は戊戌(つちのえいぬ)だけど、戊には万物が土台に繁茂し、盛んなさまであると同時に、繁茂しすぎると日当たり、風通しが悪くなり、患いを生じる可能性もあることを意味する。一方の戌には切り取るという意味がある。干支に当てはめるなら、ことしはさまざまな課題を解決し、新たな建設業界への基盤を固める年と言えそうだ。

建築設計界 古谷新体制の活動に注目

A ところで、建築設計界の雰囲気はどうだろう。
E 何といっても日本建築学会の動きが注目される。昨年5月末に就任した古谷誠章会長の活動方針がいよいよ具体的に動き出すからね。
F 古谷会長は建築3会新年交礼会でも、社会に信頼される建築専門家として、さまざまな異分野間の日常的な交流・連携・協働の推進と、建築の設計者・施工者の選定方式を検討するための2つのタスクフォースを立ち上げ、16日にキックオフミーティングを開くことを高らかに宣言した。特に設計者・施工者の選定方式について、どう議論を展開し、また深めていくのか、注視していきたい。
E 建築学会は11月から理工学系の53学協会で構成する男女共同参画学協会連絡会の運営委員会幹事学会も引き受ける。また建築教育の国際的な相互認証に向けて、古谷会長は建築教育認定団体の国際的協定であるキャンベラ協定へのJABEE(日本技術者教育認定機構)の正式加盟を年内に果たしたいとも表明した。さらなる女性活躍や若者が世界で活躍できる舞台づくりへ、そのリーダーシップにも期待がかかる。
F 国際化では9月に都内でARCASIA(アルカジア=アジア建築家評議会)の第18回アジア建築家大会が開かれる。JIA建築家大会と連続した大会運営とする予定で、成長著しいアジアの活力が日本の建築界にどう影響し相互作用が働くのか、こちらも大いに期待したいね。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら