【復興支援道路】「新区界トンネル」貫通! 最新鋭技術投入で結んだ"命の道" | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【復興支援道路】「新区界トンネル」貫通! 最新鋭技術投入で結んだ“命の道”

宮古市側発破スイッチを押す代表者

 東北地方整備局が、復興のリーディングプロジェクトとして整備を進めている復興支援道路「宮古盛岡横断道路・国道106号区界道路」の主要構造物で、岩手県内最長の道路トンネルとなる「新区界トンネル」(仮称)が待望の貫通を迎え11日、宮古、盛岡両市にまたがる現地で式典が開かれた。施工は鹿島・東急建設JV(西川幸一所長)が担当。今後、インバート工や覆工コンクリート工などを進め、2019年3月の完成を目指す。
 宮古盛岡横断道路は、東日本大震災に伴う津波などで甚大な被害を受けた沿岸部の宮古市と内陸部の盛岡市を東西に横軸で結ぶ長さ約100㎞の地域高規格道路で、現道の国道106号のリダンダンシー(代替性)を確保する。
 その一部をなす区界道路は、両市境に位置する長さ約8㎞の区間で、新区界と簗川の2トンネルを築造し、現道最大の交通の難所である区界峠の急カーブ・急勾配の解消を図り、走行性と安全性を向上させる。
 今回貫通した新区界トンネルは、本坑長さ4998m、避難坑は5045m、内空断面積は95㎡の規模で、NATMで掘削した。
 施工に当たり鹿島JVは、長大トンネルを効率的に掘削するため、最新鋭の4ブームフルオートコンピュータージャンボを国内で初めて投入。さらに宮古と盛岡の両側から本坑を掘削しつつ、最盛期には本坑の2切羽のほか、避難坑から仮設の作業坑を本坑に取り付け、最大4切羽による急速施工を実践した。

盛岡市側

 式典では、清水晃東北地方整備局岩手河川国道事務所長や山本正徳宮古市長、谷藤裕明盛岡市長らが発破スイッチを押し、貫通を確認すると出席者から拍手がわき起こった。
 この後、発注者と地元関係者、工事関係者らが貫通点で通り初めを行ったほか、樽御輿(みこし)の行進や鏡開き、万歳三唱などが行われた。
 席上、来賓としてあいさつに立った山本市長は「県都盛岡と沿岸部を結び、開通後は“命の道”としても期待できる。これも国や県、冬の厳しい寒さにもめげずに施工してきた工事関係者の皆さんのおかけだ」と語った。
 谷藤市長は「人や物流・経済・観光などの観点から、早期復興に向けて重要な役割を担っていく。1日も早い事業完了と前線開通を待ち望んでいる」と期待を寄せた。
 清水所長は「地域間連携強化や産業・観光振興に大きく貢献する。20年度の開通に向けて、全力を注いでいきたい」と述べた
 これを受けて勝治博鹿島常務執行役員東北支店長は「このような意義深い施工に携わることができてとても光栄だ。残り1年3カ月の工期を、安全と品質を最優先に施工していきたい」と決意を述べた。

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