【塩手山トンネル】「相馬福島道路」で最長のトンネルが貫通! 18年夏の完成を目指す | 建設通信新聞Digital

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【塩手山トンネル】「相馬福島道路」で最長のトンネルが貫通! 18年夏の完成を目指す

 東北地方整備局が、復興のリーディングプロジェクトに位置付けて整備を進めている復興支援道路「相馬福島道路」で最長のトンネルとなる「相馬西道路・塩手山トンネル」(仮称)が待望の貫通を迎え、15日に福島県相馬市内の現地で式典が開かれた。施工は清水建設(監理技術者・冨澤大氏)が担当した。今後、覆工コンクリート工などを進め、今夏ころの完成を目指す。
 相馬福島道路は福島県沿岸部を南北に貫く常磐自動車道と、内陸部の東北縦貫自動車道を東西に結ぶ長さ約45㎞の自動車専用道路。
 その一部を形成する相馬西道路は、相馬市内に整備する長さ約6㎞の区間で、塩手山トンネルや橋梁などを築造し、現道である国道115号の線形不良区間を解消して走行性と安全性を向上させる。
 貫通した塩手山トンネルは、福島側坑口となる相馬市山上字横川から今田字権現下に至る長さ1801m、幅員12mの山岳トンネル。内空断面積は93㎡の規模で、NATMで掘削した。
 工事場所は、阿武隈山地の東側に位置する双葉活断層のほか、想定外の不良地山が続いたため、清水建設は掘削断面の変位を計測しながら、掘削面上部の崩落や緩みに対して地盤の補強・改良などの対策を講じることで、無事に貫通を達成した。
 式典には、松田和香東北地方整備局磐城国道事務所長、立谷秀清相馬市長、清水建設の久保田荘一土木総本部顧問や桑原泰秀執行役員東北支店長ら関係者約100人が出席。貫通点で除幕やくす玉開披などのセレモニーが行われ、難工事における貫通を盛大に祝った。
 席上、松田所長は「完成すれば、相馬~福島間で最長のトンネルになる。想定していた双葉活断層以降の地山の脆弱個所に時間と労力を費やしたが、この日を迎えることができたのは皆さんの尽力のおかげだ」と語った。
 来賓の立谷市長は「市内を通る最大規模のトンネルになる。地域の積年の夢だった東北中央自動車道としての相馬福島道路の完成に近づいた」と祝辞を寄せた。
 桑原支店長は「相馬ICから最初の位置にあり、相馬福島道路最長のトンネルに携われてとても光栄だ。完成が復興を後押しするきっかけになれるよう、安全を最優先にしつつ、高品質に仕上げていきたい」と決意を述べた。

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