【1人ひとりに最適環境を】ビルの空調、照明などカスタマイズ! 大林組の「WellnessBOX」で利用者が一定の満足 | 建設通信新聞Digital

4月27日 土曜日

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【1人ひとりに最適環境を】ビルの空調、照明などカスタマイズ! 大林組の「WellnessBOX」で利用者が一定の満足

 大林組は、建物利用者の快適さの情報や位置情報などを集約して分析し、一人ひとりに最適な環境を提供できるスマートビルマネジメントシステム「WellnessBOX」(ウェルネス・ボックス)を、グループ会社のテナントオフィスビルで実装した結果、利用者から一定の満足度を得られた。同ビルには、BIMモデル情報に維持管理履歴も集約する「BIMWill」(ビムウィル)も初適用しており、ウェルネス・ボックスとの統合管理によって、より実態に沿った建物設計や維持管理のほか、情報を活用した新サービスの提供などを検討する。

利用状況

 両システムを実装したのは、東京都千代田区の「oak神田鍛冶町」で、大林新星和不動産が所有している。ウェルネス・ボックスは、空調や照明の稼働状況、自然光の当たり具合、トイレの利用状況を建物利用者がウェブ上で見て、自分の好みにあった環境に設定できるほか、人感センサーによる空調制御ができる。
 利用者が好みの環境を申告すれば、AI(人工知能)が個人の好みを学習し、ビーコンを持って建物内を移動すると、移動先を利用者の好みの環境に自動調整する。利用者の着座・歩行の状況も把握し、着座が長時間続く場合に警告もできる。

操作画面(空調制御の例)

 テナント企業にアンケートしたところ、利用者のほぼ半数から、個人の好みに合った温度や明るさになったとの回答を得た。今後、さらなる展開を進める。
 ビムウィルは、建設時のBIMモデルに維持管理履歴、地図、天候などあらゆる情報を集約したプラットフォームで、ビルオーナーやビル管理会社が、建物台帳などを探さなくても、保守点検記録や日々の出来事とその対応状況、設備の運転状況などをウェブ上で確認できる。ウェルネス・ボックスとの統合によって、利用者の位置情報や体感情報も集約し、大量のデータを反映したシミュレーションモデルを構築できる。
 一定の建物管理情報や利用者情報が収集できれば、ビッグデータを使って、建物の利用実態を踏まえた新しいビルの設計や設備・室内環境の設定など新サービスが展開できると見込んでいる。

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