【再生医療】日立プラントが阪大と共同で研究所設立 細胞加工施設のエンジニアリング力活かす | 建設通信新聞Digital

4月21日 日曜日

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【再生医療】日立プラントが阪大と共同で研究所設立 細胞加工施設のエンジニアリング力活かす

左:大阪大学大学院工学研究科長 田中 敏宏氏、右:日立プラントサービス取締役社長 中津 英司氏

 大阪大学と日立プラントサービスは2日、 阪大大学院工学研究科 (大阪府吹田市)内に「日立プラントサービス再生医療協働研究所」 を6月1日に共同で設立し、 同29日に開所式を開いたと発表した。研究所では、再生医療技術の産業化促進に向け、 品質の高い再生医療技術の産業化に必要な再生医療特有のサプライチェーンとなる事業プラットフォームの構築を目的に、 「モノづくり」「ルールづくり」「ヒトづくり」の実践の場として、 細胞の製造や搬送を含めたサプライチェーン全般にわたる無菌保証や運用方法を研究していく。
 病院などで患者から細胞を採取し、患者に移植するまでの間での細胞加工施設への搬送、同施設での入荷・検査・製造・検査・出荷、病院への搬送までのサプライチェーン全般について、全工程を通じて継続的に無菌を維持できる技術や生きた細胞である製品の品質を低下させない技術を研究する。
 具体的には、 阪大が持つ無菌操作法と日立プラントサービスの細胞加工施設のエンジニアリング力を生かして、製造施設・設備・装置や資材などの無菌維持や、 サプライチェーン全般にわたる品質維持、 品質を担保するためのモニタリング、試験検査などの核となる技術を構築する「モノづくり」 研究を進める。
 また、有効性と安全性の評価科学の「レギュラトリーサイエンス」実践場として、科学的データに基づいて客観的で合理的に検証・評価し、国・行政への規制政策提言につなげる「ルールづくり」、再生医療技術の産業化を推進する上で不可欠な人材を育成する「ヒトづくり」にも取り組む。
 阪大大学院医学系研究科との連携も強化し、臨床と治療現場での実践的な問題点と課題を抽出し、研究を促進する。これらの取り組みによって、細胞の品質確保と経済性を両立する最適な再生医療のプラットフォームを確立、多くの企業群による安全性と高品質を担保した高効能な細胞加工物の製造と流通を実現させ、再生医療技術の早期産業化と普及につなげる。