3つの加速器施設で、素粒子、原子核、構造物性、構造生物学など幅広い分野の研究を大学と共同で進める「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」は2日、茨城県つくば市内の加速器や各種実験、研究施設を一般公開した。KEKが計画の推進役を担っている「国際リニアコライダー(ILC、次世代の直線型衝突加速器)」実現へ向けたパネル展示、体験型ゲーム、講演などPRイベントも開催。小・中・高校生など未来の科学者も、宇宙誕生の謎解明に期待がかかるILCに関心を寄せていた。
ILCについて分かりやすく講演した東北大の佐貫智行准教授に対し、「直線型と円形型それぞれのメリット・デメリットは」「ILCによってインフレーション(急膨張、ビッグバンの前段階)を解明できるのか」「建設地は日本以外どこが候補なのか」など質問が相次いだ。
施設では、2008年ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川理論の検証を行った加速器を5年かけて大規模改造し、従来施設と比較して40倍の衝突頻度を持つ「スーパーKEKB加速器」も公開。参加者は地下11m、1周3㎞のトンネルの一部200mを見学した。
公式ブログ
【宇宙誕生の謎に迫る】国際リニアコライダー実現に実験施設を公開! イベントに小・中・高校生ら参加
[ 2018-09-05 ]