【宇宙誕生の謎に迫る】国際リニアコライダー実現に実験施設を公開! イベントに小・中・高校生ら参加 | 建設通信新聞Digital

5月12日 日曜日

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【宇宙誕生の謎に迫る】国際リニアコライダー実現に実験施設を公開! イベントに小・中・高校生ら参加

 3つの加速器施設で、素粒子、原子核、構造物性、構造生物学など幅広い分野の研究を大学と共同で進める「高エネルギー加速器研究機構(KEK)」は2日、茨城県つくば市内の加速器や各種実験、研究施設を一般公開した。KEKが計画の推進役を担っている「国際リニアコライダー(ILC、次世代の直線型衝突加速器)」実現へ向けたパネル展示、体験型ゲーム、講演などPRイベントも開催。小・中・高校生など未来の科学者も、宇宙誕生の謎解明に期待がかかるILCに関心を寄せていた。
 ILCについて分かりやすく講演した東北大の佐貫智行准教授に対し、「直線型と円形型それぞれのメリット・デメリットは」「ILCによってインフレーション(急膨張、ビッグバンの前段階)を解明できるのか」「建設地は日本以外どこが候補なのか」など質問が相次いだ。
 施設では、2008年ノーベル物理学賞を受賞した小林・益川理論の検証を行った加速器を5年かけて大規模改造し、従来施設と比較して40倍の衝突頻度を持つ「スーパーKEKB加速器」も公開。参加者は地下11m、1周3㎞のトンネルの一部200mを見学した。

1周3㎞のリング型加速器。2本のリングの手前は陽電子、もう一本は電子がそれぞれ光速に近いスピードで逆方向を回って衝突する

 日本政府は、日本国内が有力な施設整備地となっているILCについて、施設整備費用の半分を建設地の国が負担することに二の足を踏み、誘致の姿勢を明確にしていない。現在、見直しされたILC計画案を、日本学術会議の内部検討委と技術検証分科会で議論を進めている。8月29日の学術会議検討委には、KEKの山内正則機構長が参考人としてKEKとしての考え方を表明している。

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