【中野サンプラザ】改修存続は「非常に厳しく」建て替えへ キオク、カタチ、ナマエのDNA引き継ぐ方針 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【中野サンプラザ】改修存続は「非常に厳しく」建て替えへ キオク、カタチ、ナマエのDNA引き継ぐ方針

 東京都中野区は、中野サンプラザを建て替える方向で検討を進める。2019年3月ごろに、中野駅新北口駅前エリア(区役所・サンプラザ地区)の再整備計画素案をまとめ、19年内にも再整備事業者を公募する計画だ。区民会議などでは今後、「新たな中野のランドマークをどのように創っていくか」を議論することになる。
 築45年のサンプラザについて区は、15年存続するための長寿命化改修に約32億円かかると試算した。ただ、これに加え収益確保のための改修も必要になる見通しで、改修することに決めた場合、経営的な存続は「非常に厳しくなる」と判断した。
 また、中野駅西側の南北通路や橋上駅舎の整備など周辺の整備と密接に関連していることから、サンプラザの建て替えを含むエリア再整備を進展させる方針だ。
 サンプラザの実績や歴史、施設の形状や機能、ブランドを示す施設名称については、「キオク、カタチ、ナマエの3つのDNA」として新施設へ引き継ぐ方針だ。
 酒井直人区長はこれまで、事業費約220億円を見込む庁舎の建て替えは継続する一方で、サンプラザの建て替えを再考するスタンスを示していた。サンプラザ再整備事業の収入は、庁舎建て替えの財源の一部に充てる見通しだったことから、区長就任後初めての区民会議では、事業採算性や区政への意見反映に丁寧な説明を求める声が上がった。
 区担当者は野村不動産グループ(清水建設、住友商事、東急不動産、ヒューリック)について「(改めて事業者を公募する場合でも)既に話し合いなどに参加しているというアドバンテージがあることは否定しない」としている。同グループは16年9月に区と事業協定を結び、当初計画していた中野サンプラザ建て替えに向けた再整備基本計画の策定を支援していた。
 一方、庁舎の建て替えは19年3月の基本設計策定を目指している。現時点で地下2階地上11階建ての規模を想定している。19年度内に実施設計・施工を一括で発注・契約する見通しだ。
 庁舎の移転先は、中野4-11-14の敷地面積約8570㎡。容積率は200%、用途地域は60%となっている。

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