【ARCHITECTURE CITY】国際交流活動報告会を開催 建築デザインの条件や「つながり活用」を促す | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【ARCHITECTURE CITY】国際交流活動報告会を開催 建築デザインの条件や「つながり活用」を促す

 在阪建築4団体(日本建築家協会近畿支部、大阪府建築士会、大阪府建築士事務所協会、日本建築協会)で構成する「ARCHITECTURE CITY」は21日、大阪市のうめだシップで国際交流活動報告会を開いた。各会の会員や建築家・建築士を目指す学生ら約40人が参加した。
 報告会では、大阪士会で国際委員長を務める森田茂夫アトリエクレオ主宰が同委員会の活動を報告したほか、JIA近畿の国際交流委員会で副委員長を務める高原浩之HTAデザイン事務所代表が自身の海外での活動を紹介。JIA近畿主催の「日・中・韓若手建築家によるワークショップ」の参加者とコメンテーターがディスカッションした。最後は、JIA近畿の国際アイデアコンペ「釜山国際建築大展」で入賞した村岡幹尚氏(東畑建築事務所)が作品を解説した。
 森田氏は、大阪士会の国際交流について「興味のあること、つながりのある人を何でも利用し、活動の範囲を広げていくのが方針」と説明。建築にとどまらず、映画や食などの分野での交流、海外視察などについて紹介した。
 続いて、シーザー・ペリ&アソシエーツでの勤務経験がある高原氏は、自身が関わった国立国際美術館(大阪市)での経験や49歳にして留学したアメリカでの体験を紹介。「建築デザインとは、条件一つひとつに丁寧にレスポンスし、つくり上げる過程で起こるトレードオフを最適化させること。グローバルな視点とローカルへの愛着を持っている人間にしかできない」と話した。
 日・中・韓ワークショップの参加者は、作成したプランについてプレゼンテーション。コメンテーターを務める森田氏、中村文紀氏(東畑建築事務所)、木村吉成氏(一級建築士事務所木村松本)、岩崎宏氏(竹中工務店)と質疑応答した。
 ワークショップのテーマは、中国・天津の人口減少や環境汚染による過疎化が進む村の活性化に寄与する施設。各国混合の6チームに分かれてプランを作成した。
 Aチームは、農作物の即売所や観光案内などの機能を持つ村落センターを提案した。森田氏は「過疎地では、よほど壮大なプランでないと集客につながらないのでは」とコメントした。
 つづいてCチームは、地域の中庭文化を取り入れ、広場を複数の建物が囲むプランを提案した。木村氏は「敷地に対する広場の面積が大きすぎて、庭とは言えない」、岩崎氏は「時代とともに変わるものと変わらないものを表現できたのでは」と評論した。
 Dチームは、スロープ状で地面と接続し、広場や田んぼの機能もある屋根を有する交流・村案内施設を提案した。中村氏は「水平が保たれていない屋根で農作物は育たない。棚田にするべき」とアドバイスした。
 最後に村岡氏は、釜山国際建築大展の入賞作品「メタボリズムタワー」をプレゼンテーションした。今回の釜山国際建築大展のテーマは「新時代の建築の姿」。メタボリズムタワーは、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)技術の導入により、建物自身が自動的に変化に対応する超高層ビルの計画で「かつてのメタボリズムが残した課題は先端技術が解決できる」と話した。

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