【記者座談会】全建ブロック会議が終盤/東大大学院にi-Conシステム学寄付講座 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

公式ブログ

【記者座談会】全建ブロック会議が終盤/東大大学院にi-Conシステム学寄付講座

A 3日の関東甲信越を皮切りに、全国9地区で開かれる全国建設業協会(近藤晴貞会長)と国土交通省などとの地域懇談会・ブロック会議もきょう26日の北海道で7カ所目を迎え、残りは東北、中国の2カ所になった。各地を取材してみて、ことしの印象は。
B 例年どおり公共事業予算の増額確保に対する要望が多く上がっている。ことしは、2018年7月豪雨、台風21号、北海道胆振東部地震など立て続けに自然災害が発生したこともあり、各建設業協会も、より「地域の守り手」としての役割を前面に押し出しているようだ。とはいえ、15日に補正予算案が閣議決定され、第2次補正予算の編成も見込まれることから、国土交通省に対する要望のトーンも若干、抑え気味という雰囲気も感じる。
C 相次ぐ自然災害で被害を受けた地域に真っ先に駆け付け、地域住民の安全・安心を守っている地域建設業の姿には頭が下がる思いだ。危険を顧みずに黙々と働く人たちはもっと評価されるべきだと思う。
A 四国では、災害対応に当たる作業員の補償についての問題提起があったようだが。
B 建協側は、防災協定に基づいて出動した作業員については、国家賠償法による被災補償が最低限適用される、準公務災害補償制度の実現を求めた。作業員には、労働災害が適用されるが、通常の現場と異なる状況下で2次災害に巻き込まれた場合などの人的補償が、労災だけでいいのかという投げかけだ。作業員の補償のあり方については、議論の余地がある。
C 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が「日本の社会インフラは概成しつつある」と5月の建議に盛り込んだことに対しては、反発も出たようだが。
B 近畿では、近畿建設業団体協議会の幹事を務める奥村太加典大阪建設業協会会長が冒頭あいさつで、「現況の課題に即したものとは到底考えられず。非常に残念でならない」と見解の相違に懸念を示した。四国建設業協会連合会も要望書の中に「このような議論が出ること自体、地方の実情が中央に理解されていないことの証左」と盛り込み、財務省主導による公共投資抑制方針の固定化を警戒している。
C 地方と中央の「認識格差」を是正しなければ、地域建設業の明るい未来は見えてこない。審議会のメンバーには、地域防災力、地域経済の活性化という視点も含めて地域建設業が置かれている状況に目を向けてもらいたいね。

3日の関東甲信越地方ブロック会議で近藤会長は、働き方改革に向けた施策を推進するための事業量の確保や、地域ごとの中期的な見通しの公表を訴えた

未来の建設生産システムに期待

A 話は変わるけど、建設業関係5団体の寄付によって、東大大学院工学系研究科に、「i-Constructionシステム学寄付講座」が設置された。講座の狙いは。
D i-Conを実現するためのシステム開発やシステム学の体系化、システムをマネジメントするプロフェッショナル人材の育成などが目的だ。設置期間は10月1日-21年9月末までの3年間となっている。17日に開かれた設立記念式典では、未来の建設生産システムのプラットフォームとしての役割に期待を寄せる声が多く上がった。
B 寄付者代表として式典でもあいさつしていた日本建設業連合会の宮本洋一副会長・土木本部長は22日の理事会会見で、施工段階での生産性向上に産学官が連携する講座を「非常に画期的」と評価し、「3年以上の継続を求める声が上がるようにしていきたい」と意気込んだ。
A 未来の建設生産システムを見据え、さまざまな分野の連携が生み出す研究成果に期待したい。

建設通信新聞の見本紙をご希望の方はこちら