【第2回建築フォーラム】未来の豊かな暮らしへ向けて、建築物における省エネ化を議論 JIA神奈川ら | 建設通信新聞Digital

5月7日 火曜日

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【第2回建築フォーラム】未来の豊かな暮らしへ向けて、建築物における省エネ化を議論 JIA神奈川ら

 日本建築家協会関東甲信越支部神奈川地域会(JIA神奈川、小泉雅生代表)は、横浜市の象の鼻テラスで第2回建築フォーラムを開いた。横浜市建築局との共催で、「『建築から環境へ』サステナブルで豊かな暮らしに向けて」をテーマに、トークショーやシンポジウムなどを行い、建築物省エネ法に基づく省エネ義務化により、建築分野で何が求められ、どのようなことができるのか、その課題と可能性を探った。

建築分野の課題と可能性を探った

 小泉代表は「JIA神奈川では、サスティナビリティーを考えるということを掲げている。サスティナブルはいろいろなところで使われているが、われわれの生活全般に当てはまることであり、建築の分野で考えるため、このテーマを設定した」とあいさつした。
 トークショーでは、小原隆日経BP総研社会インフララボ上席研究員と小泉代表が、省エネの取り組みを通じた「これからの豊かな暮らし」をテーマに意見を交わし、小泉代表は「経済的に裕福なことが豊かな暮らしではなく、本当に豊かな暮らしは、いま住んでいる環境を次代に伝えることが一番豊かな暮らしであり、いままでと違った豊かさを求めるきっかけに今回の省エネ義務化を捉えるべき」との見解を示した。

小泉代表(右から1人目)と小原上席研究員(同2人目)

 小原上席研究員は、台風など相次ぐ自然災害に触れた上で、「この気候変動の影響は、われわれが無邪気に暮らしてきたしっぺ返しであり、エネルギーの使い方を考えることは、子どもや孫の世代のためにわれわれ自身が責任を持って取り組んでいかなければならない」と消費者側の意識改革を促した。
 シンポジウムでは、小原上席研究員、中村美紀子住環境計画研究所主席研究員、末光弘和SUEP代表、柿沼整三ZO設計室代表、畠宏好横浜市建築局建築指導部長をパネリストに迎え、田井勝馬JIA神奈川副代表の司会の下、「建築物における省エネ義務化」を議論し、「どういう社会をつくっていくのかをみんなで議論していくべき。省エネ性能は、その1つの側面でしかなく、ややもすると管理社会の大きな渦の中に飲まれてしまう可能性があり、われわれが大事にしている開放性や多様性といったものを失ってはいけないので、それに対しては専門家としての職能を生かしていかなければならない」(末光代表)などといった意見が出た。
 JIA神奈川では、今回の建築フォーラムのほか、一般市民向けの「かながわ建築祭」を19年2月23、24日に横浜市の馬車道駅コンコースで開く。

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