【JIA神奈川】「かながわ建築祭2019」 シンポジウムや近代建築展に来場者詰め掛け大盛況 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【JIA神奈川】「かながわ建築祭2019」 シンポジウムや近代建築展に来場者詰め掛け大盛況

 日本建築家協会関東甲信越支部神奈川地域会(JIA神奈川、小泉雅生代表)は21-24日の4日間、横浜市のみなとみらい線馬車道駅コンコース・改札口や横浜メディア・ビジネスセンターなどを会場に、第30回JIA神奈川建築WEEK「かながわ建築祭2019」を開いた。各会場には多くの来場者が詰め掛け、シンポジウムなどに耳を傾けるとともに、展示された作品を見入っていた。
 23日に横浜メディア・ビジネスセンターで開いたシンポジウムは、「『建築から環境へ』環境デザインの課題と可能性」「村野藤吾 横浜市庁舎の価値と可能性」の2つをテーマにそれぞれ行われ、村野藤吾が設計した現市庁舎の今後を考えるシンポジウムには、約70人が参加し、関心の高さをうかがわせた。

シンポジウムには多くの来場者が詰め掛けた

 現市庁舎の歴史的な意義や果たしてきた役割、現代の価値、これからの可能性を、吉田鋼市横浜国大名誉教授、田原幸夫京都工芸繊維大教授、笠井三義カサイアーキテクチュラルデザイン代表取締役、小泉代表らで多面的に議論し、改めて現市庁舎の歴史的な価値と保存・活用を訴えた。

左から千場氏、笠井氏、星野氏、馬場審査委員、室伏氏、野沢審査委員長、飯田氏、近藤審査員、納谷氏

 馬車道駅コンコースで開いた神奈川の近代建築展では、神奈川県内の村野藤吾建築も紹介した。
 一方、環境デザインのシンポジウムでは、田井勝馬副代表の司会の下、秋元孝之芝浦工大教授、荻原廣高大阪工大客員教授(アラップ・アソシエイト)、末光弘和SUEP代表が環境デザインの課題と可能性を探った。
■第3回デザインアワード/大賞に室伏氏の「北嶺町の家」
 24日に馬車道駅コンコースで開いた第3回JIA神奈川デザインアワードでは、公開審査の結果、応募29作品の中から室伏次郎氏(スタジオアルテック)の「北嶺町の家」が大賞に輝いた。優秀賞には笠井三義氏(カサイアーキテクチュラルデザイン)の「街のサステナビリティ(街歩きを通して)」、星野千絵氏(コバルトデザイン一級建築士事務所)の「Book&Cafe stand Shinjo Gekijo」が選ばれた。
 今回は「今、サステナビリティを考える」をテーマに募集し、室伏氏の作品は、1971年に竣工した自邸の現在に至るまでの変遷を描いたもので、家族構成などの変化とともに、骨格は変わることなく、微細な調整を繰り返しながら生活シーンに対応してきた住宅のリアルなストーリーが高く評価された。
 審査委員長は野沢正光氏(野沢正光建築工房)、審査員は近藤哲雄氏(近藤哲雄建築設計事務所)、馬場兼伸氏(ビーツーエーアキテクツ)が務めた。
 審査員特別賞として、野沢賞に飯田善彦氏(飯田善彦建築工房)の「ミナガーデン十日市場」、近藤賞に納谷新氏(納谷建築設計事務所)の「360°」、馬場賞に安田博道氏(環境デザイン・アトリエ一級建築士事務所)と石丸由美子氏(イシマル建築設計室)、千場弓子氏(studio BO5)の共同作品「ときにわオフィス」が選ばれた。
■金賞に笹原さん(明大)、総合資格学院賞は前田さん(神奈川大)/卒業設計コンクール
 また、同じく馬車道駅コンコースでは神奈川県内各大学の卒業設計コンクールも開かれ、公開審査の結果、金賞には7大学35作品の中から笹原淳平さん(明大)の「繊木を編む」が輝いた。銀賞には井上恵友さん(慶大)の「expand」、銅賞には佐塚将太さん(神奈川大)の「日常をつなぐ架け橋」、協賛する総合資格の総合資格学院賞には、一般投票で最多票を得た前田沙希さん(神奈川大)の「空隙の秋葉原」が選ばれた。金賞と銀賞は全国大会に推薦する。

金賞に輝いた笹原さん

総合資格学院賞に選ばれた前田さん


 審査は、委員長を木下庸子(設計組織ADH)、委員は遠藤克彦(遠藤克彦建築研究所)、仲俊治(仲建築設計スタジオ)、原田馬魚(MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO)の計4氏が務めた。
 個人賞として、木下賞に岩見遥果さん(慶大)の「Scrap Board」、遠藤賞に石田卓也さん(横浜国大)の「裏山風呂暮らし」、仲賞に藤田一摩さん(横浜国大)の「神保町古本キャンパス」、原田賞に十文字萌さん(明大)の「渋谷受肉計画」が選ばれた。

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