【技術者は「地域で育てる」】ICT技術の先進県を目指し、「ICT土工研修」を実施 群馬建協 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【技術者は「地域で育てる」】ICT技術の先進県を目指し、「ICT土工研修」を実施 群馬建協

 地域の技術者は地域で育てる--。群馬県建設業協会(青柳剛会長)が主催する2018年度の「i-Construction対応ICT土工研修」が30日、沼田市の利根沼田テクノアカデミードローン技能訓練校を会場にスタートした。i-Conの全工程を5日間で学ぶ内容で、今回は県内各地の会員企業から17人が参加する。
 働き方改革実現の前提となる生産性向上のメイン方策として、建設現場でのICT活用が広がっている。モデル工事の見学会は数多く開催されているものの、それだけでは具体的な技術の習得に結びつきにくい。群馬建協は17年度に、会員企業の技術者が受講しやすい環境で、実践的な技術を身につけられるICT土工研修を創設。その後、同一カリキュラムでの研修が茨城や沖縄、島根などにも広がりをみせている。
 同日の開講式では、群馬建協の池原純副会長が青柳会長のあいさつを代読し、「実務を伴った研修が地元の建設業協会の運営で出来上がった意義は大きい。ICT施工の定着には実際の工事を経験することに加え、きょうのような研修で全工程を見渡せる技術者を体験型で育てていくことが大事。『ICT技術の先進県 群馬』になっていくという気構えで研修会を運営していきたい」と語った。
 関東地方整備局の若林伸幸企画部長は「ICT土工の一通りを学べる研修は全国的にみても大変貴重かつ重要。専門性の高い技術を習得し、ICT施工現場で大いに活躍してもらいたい」、群馬県の中島聡県土整備部長は「実践的な研修は時機を得た有意義なもので、ICT活用工事の普及拡大に大きく寄与するものと期待している」などとするコメントを寄せた。
 群馬建協の研修は、i-Con全工程を学べるカリキュラム、参加しやすい地元開催、人材開発支援助成金・CPDS(継続学習制度)対応などが特色。現場を抱えた技術者も受講できるよう、全5日間のコースを3つのセッションに分け、無理なく受けられるスケジュールを組んだ。11月までにUAV起工測量や3次元点群データ作成、2次元データからの3次元施工図作成、ICT建機施工、3次元による出来形管理・検査・納品などの実務を学ぶ。
 研修に参加する沼田土建の林直子さんは、現在も本社に勤務しながら点群データの作成などを行っているが、「施工現場の知識や経験が足りない自分でも、i-Constructionを学ぶことで、現場を担当する人の役に立てる。現場を助け、会社の利益になり、さらには女性の活躍にもつながれば」と話した。

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