【ひろしま建築学生コンペ】最優秀の安田女子大生作「景観を愉しむトイレ」が実現へ | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【ひろしま建築学生コンペ】最優秀の安田女子大生作「景観を愉しむトイレ」が実現へ

 広島県は4日、広島市の県立美術館で「ひろしま建築学生チャレンジコンペ2018」の公開プレゼンテーション、最終審査会を開き、最優秀作品に安田女子大学の白須颯樹さん、澤井遥香さんグループの「景観を愉しむトイレ」を選定した。今後は、自身の作品を実現するため、実施設計や工事監理に関わり、実践現場を体験する。

受賞した安田女子大の学生2人(左側)

 ことしは、瀬戸内海国立公園高見山公園内トイレ1棟(尾道市向島町)を対象に作品を募集し、全国から57作品(県内30、県外27)の応募があり、2日の1次審査で、6作品を選定した。審査は、建築家の千葉学東大大学院教授を委員長とする審査委員会が行った。
 そのほか、優秀作品には広島工業大学の前田元さん、林晃平さんグループ、同大の有重海音さん、六車凌さん、中西大輔さん、高橋俊一郎さんグループ、入選作品に近畿大学の吉本大樹さん、鹿児島大学大学院の境祐人さん、中尾有希さんグループ、近畿大学大学院の今江周作さん、田中航平さんのグループを選定。
 また、1次審査で選定されなかった作品のうち、将来性が期待できる作品を特別に表彰する審査委員長特別賞には、東京理科大大学院の兼本祐輔さん、堀越一希さん、小浦幸平さんグループが選ばれた。
 最優秀の「景観を愉しむトイレ」は、道路からトイレの入口に至る切妻の大屋根を通して、その向こうに広がる瀬戸内海と尾道の景観を愉しみながらアプローチできることが最大の特徴になっている。手と手を合わせた合掌のような空間を生み出す大屋根は、片側の下部が開放されたデザインを採用し、RC構造でありながら大きな片持ち形式の庇(ひさし)を実現するなど、明るいおもてなし空間を実現させている。

最優秀の「景観を愉しむトイレ」

 千葉委員長は、最優秀作品について「単純な造形でありながら、展望台のような場所にある建築としてシンボリックでどこか人を招き入れるような魅力を醸し出していて大変素晴らしい案だった」と評価した上で「今後は、実際に建てるという責任ある立場で取り組まなければならない。長い間、この場所で皆さんに愛され、かつ長い年月残っていくには多くの課題があるかもしれないが、皆さんで前向きに取り組んでもらいたい」とエールを送った。また、チャレンジコンペについても言及し「この取り組みは全国でも稀なもの。実現するという具体的な条件があるからこそ出てきた素晴らしいアイデアであると改めて感じることができた」と県の取り組みを高く評価した。

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