【建設現場に夢と希望を求めて】建専連全国大会で女性技能者6人が討論 | 建設通信新聞Digital

4月26日 金曜日

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【建設現場に夢と希望を求めて】建専連全国大会で女性技能者6人が討論

 建設産業専門団体連合会(才賀清二郎会長)は、15日に都内で開いた2018年度の全国大会で、女性技能労働者によるパネルディスカッションを開いた。「女性技能労働者から見た建設現場“夢と希望”を求めて」をテーマに、6人が女性であるがゆえの困難な経験や働きがいなどを語った。
 女性がさらに活躍できる業界になるためには、「お手伝い的扱いでなく、成長の機会を可能な限り与えるべき」「女性だから無理、ダメという概念をなくしてほしい」などの意見が上がり、「周囲の意識だけではなく女性本人の意識改革も必要だと思う」という指摘もあった。将来の夢や目標については「女性だけで構造物をつくりたい」という声も複数上がった。
 ディスカッションには左官工の荒川千尋さん(伊藤左官工業)、移動式クレーン運転士の進藤豊子さん(大京建機)、内装工の出水なつよさん(丹生谷建装)、主任技術者・職長の豊田慈さん(マサル)、鉄筋技能工・職長の中村奈々さん(正栄工業)、富士教育訓練センター非常勤講師の町美差恵さん(全国建設産業教育訓練協会)がパネリストとして参加し、清水レナCHANCE for ONE社長がコーディネーターを務めた。
 女性であるがゆえの障害や困難については、「置き場から組み立て場所まで男性なら1回で資材を持っていけるが無理だった。力の差を感じた」「数年前、会社に米国での仕事の依頼があり、志願したが危ないから女性はダメと言われ、悔しい思いをした」「若いころは女性のオペレーターが少なく、『女にできるのか』と当たり前のように言われていた」などの意見が出された。
 現場環境については、女性専用更衣室の設置要望が複数出された。育児休暇など会社の制度は整備されつつあるが、「協力会社には未整備のところもある」という意見もあった。清水社長は「女性自身の意識が低いと機会や制度があっても活躍できない」とし、「女性の意識を高めていくような取り組みも必要」と指摘した。

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