福島県が、会津美里町および昭和村境の博士峠に整備する「国道401号博士トンネル工事」が21日、鹿島・滝谷建設工業・大和建設工業JVと戸田建設・フジタ・会津土建JVの施工で本格着工した。2020年度までに貫通させ、20年代前半の完成を目指す。
博士トンネルの概要は長さ4503m、幅員6(7)m、内空断面積50.4㎡。工事ではこのうち起点側の会津美里町松坂から2238mを鹿島JVが、昭和村大字小野川の終点側から2265mを戸田建設JVがそれぞれNATMで掘り進める。
この日、終点側坑口で開かれた安全祈願祭には杉明彦県土木部長、渡部英敏会津美里町長、舟木幸一昭和村長、勝治博鹿島常務執行役員東北支店長、山田裕之戸田建設常務執行役員土木工事統轄部長ら関係者約60人が出席。代表者が鍬(くわ)入れした後、神前に玉ぐしをささげ、工事の安全と早期完成を祈願した。
続けて行われた着工式では、杉部長が「県管理道路では最長の本トンネルを含む博士峠工区の整備により、安全で円滑な通行が確保され、医療施設へのアクセス向上や地域産業の活性化につながることを期待している」とあいさつしたほか、来賓の舟木村長と渡部町長が同トンネル整備に対する期待を述べた。
この後、杉部長による着工宣言を受けて、代表者が発進ボタンのスイッチを押し、掘削機が力強く掘削を開始すると会場から拍手が沸き起こった。
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金山哲也鹿島JV作業所長(鹿島)の話
「豪雪地帯でもあるため、冬季は除雪作業を行いながら通年作業を進める。地質は凝灰岩で非常にもろくなっていることから、補助工法などのさまざまな技術を駆使しながら安全施工に努めたい」
三宅拓也戸田建設JV作業所長(戸田建設)
「厳寒地域のため、最新のプラントを設置し、骨材を温めながら施工することでコンクリートの品質を確保する。地域が待ち望むトンネルを無事故・無災害で完成させたい」