【博士峠の交通難回避へ】福島県管理、最長のトンネル工事着工 鹿島JV・戸田JV | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【博士峠の交通難回避へ】福島県管理、最長のトンネル工事着工 鹿島JV・戸田JV

 福島県が、会津美里町および昭和村境の博士峠に整備する「国道401号博士トンネル工事」が21日、鹿島・滝谷建設工業・大和建設工業JVと戸田建設・フジタ・会津土建JVの施工で本格着工した。2020年度までに貫通させ、20年代前半の完成を目指す。

掘削を開始する終点側坑口

 博士峠は、急勾配と急カーブが連続する交通の難所で、冬季には降雪に伴う通行止めを余儀なくされており、地域の生活や救急医療の大きな支障となっている。このため、主要構造物の1つとなる博士峠トンネルなどからなる延長約7.5㎞の道路改良を行い、走行性の向上と安全性の確保を図る。 
 博士トンネルの概要は長さ4503m、幅員6(7)m、内空断面積50.4㎡。工事ではこのうち起点側の会津美里町松坂から2238mを鹿島JVが、昭和村大字小野川の終点側から2265mを戸田建設JVがそれぞれNATMで掘り進める。
 この日、終点側坑口で開かれた安全祈願祭には杉明彦県土木部長、渡部英敏会津美里町長、舟木幸一昭和村長、勝治博鹿島常務執行役員東北支店長、山田裕之戸田建設常務執行役員土木工事統轄部長ら関係者約60人が出席。代表者が鍬(くわ)入れした後、神前に玉ぐしをささげ、工事の安全と早期完成を祈願した。

鎌入れする杉部長

鍬入れする(左から)渡部町長と舟木村長ら

鋤入れする山田部長(左)と勝治支店長

 続けて行われた着工式では、杉部長が「県管理道路では最長の本トンネルを含む博士峠工区の整備により、安全で円滑な通行が確保され、医療施設へのアクセス向上や地域産業の活性化につながることを期待している」とあいさつしたほか、来賓の舟木村長と渡部町長が同トンネル整備に対する期待を述べた。
 この後、杉部長による着工宣言を受けて、代表者が発進ボタンのスイッチを押し、掘削機が力強く掘削を開始すると会場から拍手が沸き起こった。

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 金山哲也鹿島JV作業所長(鹿島)の話
 「豪雪地帯でもあるため、冬季は除雪作業を行いながら通年作業を進める。地質は凝灰岩で非常にもろくなっていることから、補助工法などのさまざまな技術を駆使しながら安全施工に努めたい」

 三宅拓也戸田建設JV作業所長(戸田建設)
 「厳寒地域のため、最新のプラントを設置し、骨材を温めながら施工することでコンクリートの品質を確保する。地域が待ち望むトンネルを無事故・無災害で完成させたい」

三宅所長(左)と金山所長

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