【5日程度の作業が5時間に!】鹿島が渋谷駅改良工事に「ストランド場所打ち杭工法」を初適用 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【5日程度の作業が5時間に!】鹿島が渋谷駅改良工事に「ストランド場所打ち杭工法」を初適用

 鹿島は、低空頭条件における場所打ち杭工事に「ストランド場所打ち杭工法」を初めて適用した。伸縮可能な鉄筋かごを使う工法で、「JR渋谷駅改良(北)工事」(鹿島・清水建設JV)に適用し、1本当たり5日程度かかる鉄筋かご建て込み作業を5時間で完了した。JR東日本の指導・協力のもと施工した。

鉄筋かごの縮小時と伸展時

 鉄道構造物の複々線化や連続立体交差事業、駅改良の工事では、上空に余裕のない環境での場所打ち杭施工が求められる。通常は、短く分割した鉄筋かごを機械式継ぎ手などでつなげながら施工する。ただ、接続作業にコストと時間がかかる。
 ストランド場所打ち杭工法は、鉄筋かごの縦軸の鋼材に柔軟性のあるストランド(ワイヤ)を使い、特殊な金具により帯鉄筋と結合することで折りたためるようにする。ストランドを使った鉄筋かごをあらかじめ工場で組み立て、縮小した状態で杭孔に搬入して設置し、結束を解除して吊り具を緩め、かごの自重で孔の中に伸ばして建て込む。縮小時の長さは、伸長時の4分の1から6分の1程度になるほか、ストランドが鉄筋より軽いため総重量も2分の1から3分の2程度にまで軽くなる。
 2005年に鹿島が開発した技術で、開発技術を登録してJR各社や建設会社、コンサルタント会社などの加盟社が使えるようにする 「鉄道ACT研究会」のPR工法に登録している。今回、縦軸方向のストランドと帯鉄筋の結合部用に、 90度回転する特殊な結合部回転金具を新たに開発し、適用した。 縮小した状態では帯鉄筋に沿ってらせん状に巻かれているストランドを伸長時にまっすぐできる。
 適用現場では、空頭3.5mと狭く、杭径1.2m、杭長さ7.9mの仮設杭を施工した。従来工法では、1本当たり5日程度かかると想定していた鉄筋かごの建て込み作業が5時間で完了した。現場搬入の際も、鉄筋かごを通常の6分の1程度の1.25mに縮小したため、台車で運搬できた。

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